Roots

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「街場の憂国会議」に続き、内田樹さんの著書「街場の共同体論」を読了。

「巨人の星」にあったような父の威厳というか権力がいまの家族には
なくなってきていることや母親の「父親兼任」が進んでいるという家族論。
私が育った家庭では、特に父が威張り散らしていた訳でもないし、
料理つくったり皿洗ったり子供と遊んでくれた父の姿が当たり前にあったから、
内田さんがいういまの家族のあり方がすっと入ってきた。
そういう私も父になり、育児や家事を楽しんでいる。

ただ、バブル期をはじめとする日本の経済成長に合わせるように、
家族の消費形態も個別化され、家族自体が崩壊して行くことには危機感を持った。
そして、経済成長が進むに連れて資本主義は加速し、人を見る価値基準が
「年収」になっているという日本社会。。。
楽してお金を稼ぐ方法を学ぶ場が「教育」だとしたらとんでもない間違いだ。

「経済成長」という価値観のもとで世界が動き、コミュニティが崩壊して行く。
そんな日本の将来に警鈴を鳴らし、内田さんは「弱者からのコミュニティの再生」
「師弟関係の再構築」を提案している。

師弟関係の下りは、とっても納得する。
私自身いまこうして独立できたのも、師匠の存在があったからこそだ。
若い頃に師匠に出会えなかったら、きっとなんとなく流された人生を送っていたと思う。
まだ違うフィールドでの師匠に出会えるかもしれないし、
僕よりも一回りも若い20代の子達には師匠と呼べる人を是非とも探してほしい。
探して見つかれば、あとは必死に学んで行けば良いんだもの。

まちづくりを考える上で、とっても大切なことを学べた。
ありがとう、内田さん。

ご興味がある方は是非とも。

high line

2010年の暮れに訪れたニューヨーク。
どの場所もしっかりと記憶に残っているが、
中でも感動したのが鉄道敷を公園として再生したHIGH LINEだ。

そのHIGH LINEの実現までの物語を描いた書籍を偶然にも見つけて即購入。
内容は、ジョシュア・デイヴィットとロバート・ハモンドという2人の
キーパーソンの回顧録でストーリーが展開する。

このHIGH LINEは、貨物輸送のための鉄道で、ビルとビルの合間を繋ぐように
空中に整備されていた。既に貨物輸送のニーズを失った鉄道敷には雑草がはえ、
夜になると犯罪が起こる治安の悪い場所であったことから、
沿線住民や地権者の大半はその鉄道敷の撤去に動きつつあった。

その事業説明会で偶然出会ったデイヴィットとロバートは、このハイラインの
構造や景観が大好きで、なんとか残せないかと意気投合する。
そのたった2人の想いから、このハイラインの公園が誕生したのだ。

ハイラインの魅力を知ってもらうためのキャンペーン活動や住民説明会、
支援者を増やして行くための根回し、啓発活動や建設費、運営費獲得に向けた
資金獲得・・・尋常ではない道のりを、まちづくりや都市再生には全くの素人
であった2人は、10年という歳月をかけて乗り越えた。
その気力と行動力には、多大なる勇気がもらえる。

最初反対多数で進むところは日本と全く変わらないが、
なぜアメリカでできて日本でできないのか。。。
いろいろと理由はあると思うが、私の中で感じたことは、
「判断して動く基準が、組織ではなく個人に帰属している」ということだ。

この都市再生物語の当初は、たった2人しか保存賛成派がいなかった。
しかし、その2人に共感した少数の人達は、力になってくれる専門家や
寄付を出してくれるお金持ちを次々に紹介する。
普通、反対多数の中だと組織的にNOと言えないのが日本だが、
アメリカの場合は共感したのは自分個人であって、「私が賛成したんだから」と
あれこれ手を貸してくれる。俳優のエドワートノートンも賛成してくれ、
建築好きのブラッドピットにも支援の手を求めたそうだ。

アメリカは、寄付をすることが社会的なステータスだと聞いたことがあるけど、
このプロジェクトにおいても、1億、2億と巨額な事業資金を寄付する「個人」が
たくさんいた。

そんな民間の動きに対して、市議会の人達も次々に賛同し、
市役所に対して保存の働きかけを行う。
そしてついに、当初撤去のゴーサインまで出した市役所は、
市長がかわるタイミングで保存に舵を切り、保存と判断したからにはと、
建設資金の拠出もし、デイヴィットとロバートが設立した「Friends of the high line」
の意向に添って設計・工事を進め、公園の管理運営も彼らに任せたのだ。

市民2人の思いつきからプロジェクトは動き出し、
10年という歳月をかけてとうとうHIGH LINEは完成した。

本を読んで、勇気をもらった。
たった1人でもできることはあるし、例え理解者が少なくても道は拓ける。
まちづくりや都市再生にかかわる人には是非とも読んでほしい。

本を読んでから改めて、HIGH LINEに行きたくなった。
(以下の写真は、2010年暮れの様子)

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chausse

昔から靴がとっても好き。

私の行きつけの洋服屋さんで、
私の体格、好みを熟知するスタッフTさんから
「佐藤さん絶対に気に入るから!」とオススメしてもらったのが
Chausserという日本ブランドの革靴。

革靴といえば、イタリア、イギリス、アメリカと
海外に憧れのブランドがあるもんだから、あまり期待していなかった
んですが、そのモンキーブーツを見た瞬間に完全に心を奪われて。。。
すぐさま購入して、お気に入りの一足として大活躍。

以来、すっかりchausserのファンになり、
色違いのモンキーブーツをかみさんにプレゼントしてもらった。
そして1年ほど前に再びお店を訪れると、Chausserの新作が。
欲しいと思っていたUチップの黒革靴。。。
エンボスレザーにクラシックなシルエット、ON・OFF両方行ける!

これは欲しい!とTさんにサイズを確認してもらうと、なんとサイズがない。
聞くと、これから発注をかけて約1年待ち。。。
基本せっかちな私なので商品を待つなんてことはよほどのことがない限りは
しないけど、今回は待つに値する価値があった。

そして先日、ようやく商品が入荷したと連絡が入った。
Chausser3足目。革が自分色にどう変わって行くのか楽しみ。

日本のものづくり、捨てたもんじゃない。
良いものをつくっていくことはもちろん大切だけど、
Tさんのように、その商品の魅力やストーリーを丁寧に
消費者に伝えて行くことがファンづくりには欠かせない。
そのためには、お店は大きくではなく小さくあった方が、
コミュニケーションの質は格段に高まる。

先日Tさんと仕事のことを話していた際の一言。
「洋服を売るだけだったらキオスクのおばちゃんと変わらないですよ。
 僕は、企画もデザインもPRもイベントも、洋服に関することだったら何でもする。」

素敵な人だ。洋服買うなら、またTさんを訪ねようと強く思う。
多少高くても、ネットではなく、Tさんのところで買いたくなる。
Tさん自身、私にとってはその世界への窓口であり、商品の一部なんだ。

日本のものづくりを支える人達、かっこいいなぁ。

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お盆明けの初仕事は、長崎県の小浜温泉へ。

小浜温泉には、尊敬するデザイナー城谷耕生さんがいる。
彼のオフィスSTUDIO SHIROTANIが過疎地再生のデザインとして
取組んでいるのが、「刈水庵」だ。

昨年の5月13日のブログでも紹介しているが、
今回の来訪ではさらにバージョンアップしていた。
刈水庵のすぐ横には、ギャラリー兼オフィスの新たな棟ができている。
城谷さんに案内してもらいながら、建物の活かし方、
再生するためのソフトなど、様々なことを教えてもらった。

今回の出張は単なる視察ではなく、
構想段階にあるプロジェクトのコアメンバー会議。
いまはまだ明かせないが、このプロジェクトは私にとっての夢だ。
まだまだ課題は山積しているが、ワクワクする素敵な時間だった。

そこに想いがある限り、その夢はきっと叶うと信じて。
このご縁を繋いでくださった城谷さんに感謝。
さぁ、一歩前へ。

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昨日の日経新聞に憧れの椅子コレクター、永井敬二さんの記事が出ていた。

いまや生活の中に欠かせない椅子。
機能的なことはもちろんのこと、配置する場所や時間、
体に触れることを考え抜いて生まれる美しさやフォルム。

その魅力にとりつかれて、半世紀をかけて彼は1000脚以上の椅子をコレクションした。
それは単なる「収集」という作業に留まらず、その椅子を作り出した作家の感性や生き方を
探し続ける旅とも言える。

彼のコレクションの記念すべき第1号の椅子は、
偶然にも、私が結婚祝いで母からプレゼントされたものと同じである。
永井さんの椅子のセールで購入したワシリーチェアと、
仲良くリビングに置いている。

彼のことを紹介してくれた日経新聞さん、ありがとうございます。
世界から一目置かれる椅子のコレクターが福岡に暮らし、
そして私の仕事で関わっている佐賀県唐津市の出身であることを
少しでも多くの人に知ってもらいたいです。

そして、彼の夢である「本物の魅力を感じられる椅子のサロン」、
いつかきっとできるといいな。

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