Roots

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年度末が終わった。
独立して1年、嬉しい悲鳴であったが、今回の年度末は忙しかった・・・

地域活性化や観光の仕事が多いので自ずと年度末は忙しくなる。
年が明けて気持ち新たにというのが一般的だが、
年度末仕事が多い私としては、年度が明けた4月が本当の意味での新年。
そして4月は、Rootsを開業した時期でもある。

独立してから丸1年。
少し充電して、いろんなまちを見て、新たな年度の戦略を!と思っていたが、
現実はそうではなかった。。。
今年の暮れまで続くプロジェクトがいよいよ本格的に動き出し、
年度が明けてからも毎日慌ただしい日々が続いている。
とっても有難いことです。

ただ、忙しさにかまけて、何も充電せずに、戦略を立てずに一年が過ぎるのはいけないと、
自分に発破をかけて、移動中、時間を見つけては本を読み、これからのことをあれこれと
考えるようにしている。

そんな中で出会った1冊。
面白い仕事をしていると前から気になっていた「nendo」。
代表の佐藤オオキさんは年が1つしか変わらないが、
建築・プロダクト・グラフィック・店舗とあらゆるデザインをフィールドに、
世界を舞台に活躍されているデザイン集団だ。

彼らの思考はとっても面白いし共感する。
クライアントの能力や商品力を最大限活かすために「一歩下がる」という姿勢。
とにかくクオリティー高くスピード感を持ってプロジェクトに取組み、
提案するアイデアは目から鱗のものばかり。
視点の移動力、繋がらないものを繋げることで新たな価値を生み出す「他人丼」の考え方。
専門的になりすぎないからこそ、フラットに、新鮮に考えられるんだろうか。

アイデアを実現するために、彼らが実践する「耕す」「育てる」「収穫する」
サイクルは、私の仕事にも十分役立つものだった。

「一歩下がる」という姿勢は、地域で仕事をする上でとっても大切なこと。
単なる表層的なお化粧ではなく、社会・企業の問題を解決するプロフェッショナルとして
彼らの仕事はとっても興味深かった。
良い本に出会えたし、モチベーションがあがった。

さぁ、今年度も頑張ろう。

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引っ越しに仕事にといろいろ慌ただしかった8月も終わり、
もうすぐそこまで秋がやってきています。

8月は仕事や里帰りでいろんなところに行きました。
唐津や長崎、鹿児島、大阪などなど。

一年ぶりに里帰りした我が故郷大阪は、商業施設開発ラッシュで
活気が生まれる一方、私が親しんだ風景も様変わりしていました。
仕事のほとんどは地方での仕事が多く、豊かな海や里山、歴史的な
町並み、みなと、人情豊かな商店街、離島を日常的にみているせいか、
年を重ねるごとに大型商業施設には関心がなくなっています。

そんな中で、大阪に誕生した大型商業施設「グランフロント大阪」には
どうしても行ってみたかった。
というのも、このグランフロントが整備された大阪北ヤード跡地は、
過去に跡地活用の国際コンペが開催されていて、大学時代にそのコンペに
関わったから。

私が在籍した九州大学の研究室と九州芸術工科大学(現:九州大学)の
建築系の研究室がタッグを組み、どれくらいだろう、3ヶ月くらい
あれやこれやと議論したことを覚えています。

結果的に方向性がまとまらず(?)に提案しなかったものの、
そこで出たアイデアやエスキスは今でも覚えています。
大きなグランドスケープとしての迷路空間、void、ため池・・・
大学の同期チームでは、関西圏の大交通拠点ということで、
「移動するコンテナ」をテーマに、ここを機転に関西各地に人や物資を
運ぶ移動ショップやカフェ、敷地はそのコンテナが配置された
セントラルパークに、という提案。
当時はまだまだ未熟だったということもあって、今思うと(今も未熟ですが)、
完成度の低さを感じますが、発想は結構面白かったんじゃないかと
いまでも思っています。

少しでも思いを馳せた場所だから、実際にどうなったんだろうと
現場をみてみたくなったんです。

以前は空き地だった、梅田のヨドバシカメラの横に
そびえ立つ高層ビル。敷地内に入ると、多くの人だかり。
そこそこにベンチがあって待ち合わせや会話を愉しむ人、
いま流行のフローズンビアガーデンで盛り上がっている人、
JR大阪駅に向かう多くの通勤客の人山、
地下の商業施設に続く親水階段や親水空間。
中をのぞくと、「大阪初出店」の文字が踊るショップや飲食施設の数々、
「知」をテーマにしたナレッジキャピタル。。。

確かに人は多い。阪急や伊勢丹も含めると、大阪梅田は大商業エリアへと
舵を切った。だけども、、、すべてが人工的で気が休まらない。
商業施設前の親水空間で子供が泳いでいる光景を見て、
違和感を感じざるを得なかった。これが大阪の水辺なのか・・・
ナレッジキャピタルは発想的には面白いけど、せっかくなら
気持ち的に豊かな空間で、知識を学ぶ場所にしてほしかった。

梅田で一番好きな屋上庭園(スカイタワー)は、周囲に遮るものがなく
大阪を一望できる。川や港が見えて、つかの間の自然を感じられる場所だ。
そのスカイタワーに隣接する場所なら、逆にグランドレベルで、
つかの間のひとときを過ごせる公園にする発想はなかったものか。
梅田には緑が少ない。ちょっと休憩したいと思う場所がない気がする。
敷地の隅っこにちょっとした緑地空間はあったけど、どちらかというと、
メインの動線からは外れている場所でもったいない。

歩いて消費して、また歩いて・・・おしゃれなカフェはもちろんあるけど、
住んでいる人や働く人たちがふと気を抜きたくなるオープンスペースが
あってもよい。NYでいうセントラルパークのような空間が。
公園の中にお店がある。そんな空間になれば、もっと他の商業空間と
差別化が図れたようにも。間違いなく、私は通うけど。

植樹運動をしている安藤さんだったら、どんなアプローチをしただろう。
少子高齢化や人口減少で、今後都心は超コンパクトシティになっていく
だろうけど、高密度にするからこその息抜きの場が欲しかった。
買い物がどんどんネットに切り替わっていくからこそ、リアルに消費する
場面は、気持ち的にもリラックスして、人の顔が見えてゆっくり会話を
しながら物が選べるコミュニケーション空間になった方が嬉しいけど。

あくまで個人的な感想ですが。
10年以上前に思考した記憶を蘇らせながら、そんなことを考えてた。

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グランフロント大阪外観

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グランフロントからJR大阪駅の眺め

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敷地内にある親水階段

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敷地内にある親水空間

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敷地内にある緑地空間

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敷地内にある親水空間

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ナレッジキャピタルにあるカフェ

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ナレッジキャピタルにある車のショールームカフェ

独立してから2ヶ月が経ちました。

これまで変わらずに温かく育ててくれた両親、兄弟、親戚。
時を重ねても変わらない関係でいてくれる高校時代の親友。
自分の価値観を形成し、学ぶこと、働くこと、生きることを
教えてくれた大学の恩師や人生の先輩方。
この分野で私を大きく育ててくれた唐津の方々。
価値観を共有し、共に歩んでいただいている仕事のパートナー
の方々。

いまの私のRootsを築いてくれた大切な方々に、
たくさんの温かいお言葉、叱咤激励をいただきました。
独立したことを自分のことのように喜んでいただき、
改めて「人のご縁」で私は生きていられると感じました。

そんな方々とのご縁を、少しずつではありますが、
カタチにしていければと思い、自ら動いて
新たな事業提案にも少しずつ動き出しています。

一方で、予想外のご相談をいただくこともあります。
自分が考えていること、地域活性化に対する想い、
少しでも共感いただいた方から「一緒にやろう」と
声をかけていただくことも少しずつではありますが
増えてきました。その1つが、私にとってはとっても
不得手な分野で、「私なんかで・・・」って恐縮してしまう
ことなんですが、プロジェクトをスタートすることが決まりました。
(ある程度具体化した段階でご報告します)

これも全て「人のご縁」の賜物。
今まで苦手と思っていたことを乗り越える、いわば成長できる
チャンスをつくってくれたんだと今では前向きに捉えています。
自分の考えを伝えること、出会いを謙虚に大切に育んでいくこと、
続けていきたいと思います。

そんなことをしみじみと感じた日でした。

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大学1年になったばかりの頃だった。

とある雑誌を買ったことをきっかけに、インテリアの世界にはまりだした。
2000年8月号に発行されたBRUTUS「世界でいちばん好きな椅子」。

その中で特集されたいた1人に、強烈な印象を受けた。
世界的な椅子コレクターの永井敬二さん。
調べるとなんと、通っていた大学がある福岡に在住とのこと。
いつか彼に会いたいと願い続けた結果、2年前にお会いしお食事をすることが叶った。
普段人にあってあまり緊張することはないけど、10年越しの想いが重なり、
極度の緊張で最初はほとんど顔さえ合わせることができなかったほどの人物である。

そして大学時代、同じく私に強い影響を与えたもうひとりの人物が福岡在住の
インテリアプランナーの長峰秀鷹さん。大学の先生のご縁で知り合うことになり、
学生の私たちをとっても可愛がっていただき、福岡天神の都市再生プロジェクトを一緒に
させていただいた(worksの「リージョン天神」)。彼とは夜中のデザイン談義・就職相談
とディープな時間を過ごさせていただき、私が九州に残るきっかけをつくってくれた。
そんな彼は私が社会人になる直前でお亡くなりになってしまったが、
今でも私の心で鮮明に生きている。

大学時代に影響を与えたそのお二方は、偶然にもインテリア業界の方である。
社会人になっていろんなデザイン関係の方々とお会いする中で、お二人のお話を
するとき、共通して出てくるキーワードが「ニック」。
1966年から2000年まで、欧米のモダンデザインやグッドデザインを紹介、
提案した福岡の「デザイン発信拠点」である。彼ら2人もそこに関わっていた。

そして今日、唐津の情報誌ROASTを渡しに訪れた福岡市大名のインテリアショップ。
そこのご主人と何気なく話していると、やはり出てきたキーワードが「ニック」。
ご主人もニックで働いていたインテリアコーディネーターであり、
長峰さんの先輩であり、永井さんの同志であった。

時代を超えても、1つの場所やあの頃のムーブメントで繋がっている。
とっても素敵なことで、そのルーツに少しでも関わっていられることが嬉しい。
と同時に、そんな場所が色濃くあったことを羨ましくも思う。
それがきっと、文化って言うんだろうな。

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