こちらでも度々紹介してきた、佐世保市俵ヶ浦半島で地域住民と取り組んできたまちづくりプロジェクト。Rootsでは、半島の景観を生かしたトレイルコース・マップづくりを3年間、俵ヶ浦半島未来計画づくりに1年間、未来計画をもとにしたプロジェクトがスタートして3年間、計7年間サポートしてきました。
当初は地元にはまちづくりの土壌・機運はほとんどなかった状況でしたが、次第に仲間やサポーターが増え、若手が集まるようになり、地元で法人が立ち上がり事業を進めるまでに。
この7年間はもちろん順風満帆に進んだわけではなく、失敗したり、悩みつつ改善したりの連続でした。夜中まで議論することも何度も。
試行錯誤を繰り返しながらも前に進んできた俵ヶ浦半島の活性化プロジェクトですが、今回、この取り組みを1冊の記録としてまとめる機会をもらいました。佐世保市もこの俵ヶ浦半島の取り組みを、他地域のモデルとして広めていきたい考えがありました。
プロジェクトの整理にあたっては、これまでの過程をできるだけオープンにするよう努めました。表面的に上手くいったところだけをまとめるのではなく、最初の半島未来計画に込めた想い、計画通りに進められたポイント、上手くいかなかった原因、その反省をもとにした改善点など、結果よりもプロセスを重視しています。
ウォーキングイベントから飲食商品の開発、地域ブランドづくり、情報発信など、多岐にわたる取り組みを行ってきた俵ヶ浦半島ですが、そのひとつひとつを基本時系列に整理し、紹介しています。途中には、(株)カンバセーションズと共に行ったインタビュー企画も掲載。他地域の取り組みと俵ヶ浦半島の状況をインタビューを通して比較することで、よりリアルな側面が見えてきました。
俵ヶ浦半島のまちづくりはまだまだ始まったばかり。これからも悩んで、立ち止まり、議論を繰り返しながらも前に進んでいくのだと思います。その時にはこの記録を見ながら振り返りつつ、前に進んでいくきっかけになれば。また、これからまちづくりに取り組む地域の皆さんにも、この挑戦の記録が役に立てるなら幸いです。
(宮崎 大)