昨年、同じ地域づくりのプロデューサーという立場から
インタビューする機会をいただいたissue+designの筧さんが、
FACEBOOKか書籍か何かで「ゾウの時間 ネズミの時間」を紹介していました。
この本といえば、いつも可愛がっていただいている
広告マーケッター、コピーライターの三浦弘二さんに
随分前に薦められて買った本でした。
読まなくちゃと思いながら、途中まで読んでそのままお蔵入り・・・
筧さんの紹介を機会に、年末に読み直してみました(というか一から)。
大きな結論としては、動物のサイズが違うと、寿命が異なり、時間の流れる速さが
違ってくる。サイズと時間は一定の関係があるものの、一方で一生のうちに
心臓が打つ総数や総エネルギー消費量は、サイズによらず同じということです。
小さな生物はそれだけ短命であるが、ものすごく濃密な一生を送っています。
環境によっても生物のサイズは異なり、島では大きな動物が内陸よりも小さく、
小さい動物が内陸よりも大きくなる傾向があるという島の規則にも驚きました。
今私たちが生きている時間というものは、人間が勝手に作ったものであり、
そのフィルターを通して世界を見て、環境を考え、判断しているのではないか。
同じ地球に暮らすそれぞれの生物の視点に立ってみたら、もっと違うスピードで
この地球環境を捉え、感じるところがあるんではないか。
それって、地域づくりの世界にもあてはまります。
その土地、そこで育った人達はみんな歩むスピードや価値観も違うわけで、
その人が実際はどう感じ、どう思っているのかという相手の立場に立ってみると、
地域の見方も変わってくるし、大切なことが見えてきます。
単純なる生物の話に見えて、実は地球環境や地域社会においても
大切なヒントが隠されていました。
(佐藤 直之)