私の仕事の大半は九州の地域のお仕事なので、
東京に出張することは年に数回。
そのうえ、上京しても打合せや現場がほとんどなので、
ゆっくり観光なんて時間はほとんどとれない。
でも、時間があったら寄ろうと決めているお店がいくつかある。
その中の1つが、蔵前にある文房具屋さん「カキモリ」だ。
先日の出張では半日ほど時間がつくれたので運良く寄ることができた。
企画の仕事をしているので、ノートやペンはいわば商売道具。
これまであらゆるものを試しては、自分に合ったもの、合わないものを
試行錯誤している。
このカキモリは、他の文房具屋さんとは一線を画す。
ノートの表紙・裏表紙、中の紙、留め具、全てを細分化し、
それぞれ好きな素材・色を選ぶことで、世界に1つだけのノートがつくれるのだ。
しかも、箔押までできるから、プレゼントにも大変喜ばれる。
とにかく楽しい。ワクワクする。没頭してしまう。
目の付け所が面白いし、物が溢れて過ぎてしまっているからこそ、
お店としての付加価値が際立っているように思う。
その場でつくってくれるし、「自分だけのもの」という消費者の心をつかみ、
一気にファンが増えていく。
この日もついつい買いすぎてしまった。
決して安くはない。高い。
でも、店内には若いカップルや女性でごった返しているのだ。
決して価格だけが若い人を惹き付けるのではないことを
このお店は証明してくれる。
お店に飾っているポスターもセンスが良いし、
お店独自で蔵前エリアのマップもつくってる。
買ったお客さんはそのマップを手に取って街に繰り出すから、
まちとの相乗効果も生まれている。
東京の友人に話したら、「蔵前ってどこや」と言われた。
東京の中でもローカルなのだ。
でも、そのお店をめがけて人がわざわざやって来る。
この商品を切り取るセンスと付加価値のつくり方は、
地方の商店街にとって大切なヒントが隠されている。
ちなみに、カキモリでつくったノートは大切にしすぎて、
まだ仕事では使えてないんですが。。。