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2019.11.01 / thinking

公開インタビュー終了!

先日の10月29日、佐世保市万津町のBRICKMALLにおいて、
半島meets…の公開インタビューイベントが行われ無事に終了しました。

テーマは「計画を実行するうえで大切なこと」。
俵ヶ浦半島の活性化に当事者としてではなく、住民参加による計画づくり
やプロジェクトの実走を外部の立場からサポートするプランナー・
プロデューサーの視点から、改めて事業を振り返り、ヒントを得ようという企画。

対談相手は、地方創生に関する実践と研究を全国で重ね、数多くの書籍を
執筆しているissue+designの筧 裕介さん。
私も気がつけば、筧さんの書籍は何冊も愛読しており、高知県佐川町の総合計画
づくりをケーススタディにした「みんなでつくる総合計画」は、俵ヶ浦半島の
未来計画を作るうえでとても参考にさせていただきました。

当日は、地元佐世保市をはじめ、県内・佐賀県からも参加があり、
スタッフも入れると50名近くの参加者で会場は埋めつくされました。

今回私が用意したのが、「筧さんに聞きたい5つのこと」。
筧さんの地域づくりへの関わりからお尋ねし、半島未来計画の参考になった
高知県佐川町を事例とした住民をやる気にするための計画づくり、
計画から実践へと地域づくりを続けるためのポイントやチームづくり、
そして近年筧さんが注力している地方創生とSDGsまで。

私がプロデューサーとして最も感銘を受けたことは、住民のやりたいことを
実現することが第一だということ。ともすれば、私のようなコンサル的な立場
や専門家が地域に入ると、「これが答えだ!」「こうした方が良い」「市場は
こうなっている」と言いがちですが、筧さんはアプローチが全く逆でした。

住民がやりたいことを可視化する、その想いを引き出すための場づくりを
徹底的に準備し、目標やイシューへと落とし込む。そのやりたいことが
まとまってきたら、緩やかに同じ方向を向くためにビジョンを添えてあげる。

佐川町の発明ラボのお話では、住民の作りたいものをまずは丁寧に聞いて、
実践する環境を作って、そしてプロトタイプができた段階で専門家のスキルを
借りて仕上げていく。専門家の関わりも、あくまで住民の想いを可視化する
最終段階。住民のやりたいことが湧き出る「地熱」を生み出すためのアプローチ
がなんとも明快で、ずっと話を聞いていたいと思う時間でした。

そしてもう一つ印象に残ったのが、地方創生にSDGsの考え方を取り入れた取組み。
目の前にある課題に対して解決策を考えるのではなく、その課題を引き起こす
原因は何か?SDGsの開発目標に沿ってその本質を考えていく。
どこも同じ社会問題を抱える地域の中で、事の本質は何なのかを目を背けずに
考えることは、きっとこの先とても大切な視点だなぁと痛感しました。
そして、地方創生におけるSDGsカードゲームを考案したのは筧さんだったのだ
と知り、定期的にそのノウハウを学ぶ講座をしていることがわかったので
私もいつか受講してみたいと思います。

始まる前は不安でいっぱいでしたが、蓋を開けてみればたくさんの気づきを
得ることができました。私自身、地方創生のプロデューサーとして取り入れたい、
改善したいことがたくさん生まれましたし、俵ヶ浦半島活性化に向けても
自信を持って良い部分とこれからのアプローチが明確になりました。
筧さん、ありがとうございました!

(佐藤 直之)

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