Roots

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2015.08.30 / thinking

地域と一緒に伴走できますか?

独立してから幸いなことに、地域活性化ブームの到来ということもあり、
ホームページをご覧いただいて、採用や仕事の問合せをたくさんいただきます。
そのほとんどが関東・関西在住の方で、地域活性化に関心のある
クリエイター、ライター、学生、地域の方です。

地域に関心を持っていただくことは本当に嬉しいし、
同じ想い・価値観を持っている人であれば是非とも一緒に
プロジェクトをしたい。いつもそう思ってます。

私はお問い合わせを頂いたとき、九州に来ていただくことを
条件にしています。それはもちろん私が九州で仕事をしているからであって、
ホームページをご覧になって興味を持っていただいたのは、
私の仕事かもしれないし、お手伝いする地域=九州かもしれない。

その興味の度合いを調べている訳ではないけど、お問い合わせ頂いている以上、
私としては九州の仕事に関心を持っていると勝手に解釈し、
まずは「ご興味があるのであれば、まずは九州に来てください」
そう回答するようにしています。

というのも、1年目のときには、お問い合わせいただくことが
本当に嬉しくて、ささいな質問も、見積もりの問合せも、自分なりに
丁寧に回答していました。でも、ほとんど回答はありませんでした。
見積もり・回答を考えるのに、やっぱり最低でも半日はかかります。
どんな人がどんな想いでメールしてくれたんだろうかと当時は想いを
馳せて対応していましたが、ほとんど回答がないということは、
こちらとは違う温度差で、軽い気持ちでお問い合わせ頂いたんだと思うんです。

2年目、3年目となると、私もそれなりに対応を考えていかないと思うようになって、
「まずは九州に来て、お話ししませんか?」とご回答させていただくことにしています。
まぁほとんどは返信ありません。でも、これまで京都のデザイナー、千葉で地域づくりの
勉強をしている学生さんが、自腹で会いにきてくれました。
本当に嬉しかった。本気だなと思いました。

私は地域づくりのフィールドに関わって、まだ15年くらいですが、
その中でたくさんの失敗と学びを得ました。

故郷の大阪に帰って就職も考えましたが、なぜ九州を選んだかということ、
そこにはやっぱり「人」の存在があったからです。
たくさんの方々に可愛がってもらったし、自分のことを必要としてくれている人がいる。

自分が一所懸命にしたことが、地方の人たちは「ありがとう!」ってリアルに
返してくれる。いま、Rootsという仕事の原点をつくってくれた場所は福岡であり、
唐津であり、九州なんです。だから、自分ができる精一杯を九州で尽くしたいし、
その先に故郷や他の地域とのご縁が生まれると思ってます。
そんな地域に出会えたことが運命だし、お問い合わせ頂いた方々にも是非とも
そういったご縁が生まれて欲しいですね。

いまもお問い合わせ頂くけど返信がない人、
関わっている地域で血気盛んに「地域を盛り上げようと」頑張ろうとしながらも
数年で挫折する人たちをたくさんみています。
決してミーハーな気分では関われないし、1つずつ課題を解決していくので、
それなりに結果が出るまでは時間がかかるのは当たり前です。
その長く、いわば地味な道のりを一緒に伴走できるか、それに尽きる気がします。

私自身もいつそうなるかわかりませんが、自分と近い立場のプランナー、クリエイターの
立場で、「地域づくりに関わりたい」そう思っている方々と、
その世界への窓口になりたい。

一緒にお仕事したい、地域と関わり続けられる人っていうのは、
地域づくりの分野には限らない話ですが、
「街のこと、地域づくりのことが好きか?」
「自分本位ではなく、地域の課題と向き合って辛抱強くできる人か?」

私はこの2点を最も大切にしています。
自戒の念を込めながら、また1週間が始まります。

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