近年の傾向として、地域活性化に向けた食の拠点づくりや
商品開発に関わるケースが増えてきている。
佐世保市俵ヶ浦半島の「半島キッチン ツッテホッテ」
東彼杵町木場郷の「米どころ 木場のむすび」
いずれも主役は地域の人であり、地域の食材。
海や山に囲まれた自然の恵み=食材にどうやって価値をつけ、
持続可能な形で運営していくのか。
私は全体の計画やマネージメント、ブランディングに関わるが、
空間づくりやデザイン、食の商品開発にあたっては、
デザイナーやフードコンサルさんに入ってもらってチームを編成。
地域の人たちの思いや意向を聞きながら、目的や価値を
顕在化させ、地域の歩調に合わせながら形を作っていく。
「地域づくり」と「経営」を同時に実践していくためには、
乗り越えていかなくてはならない壁がたくさん待っている。
これまでに飲食店やショップの経営をしたことがない
いわば素人の人たちがチャレンジするんだから、
そうそう簡単に結果が伴うわけではない。
じゃあ、経済性だけを追い求めていくのかというと、
地域としてチャレンジする理由がなくなってくる。
地域への理解度や経済循環の仕組みを作りながら、
お客さんのニーズに合わせた商品・空間づくりに磨きをかける。
地域と経営を行ったり来たりしながら、常に試行錯誤の繰り返しだ。
時には意見の食い違いでぶつかることだってある。
でも、決して諦めないことが大切だと思う。
時間がかかっても、このチャレンジは必ず地域にとっての試金石となる。
地域の底力を信じて、専門家の力を借りながら、
俵ヶ浦半島の、木場郷の、地域独自のモデルを作っていきたい。

半島キッチン ツッテホッテ 木場のむすび