年度末に差し掛かり、いろんなプロジェクトが大詰めを迎えている。
先週は出張に会議、ワークショップと慌ただしい1週間だった。
地域づくりの仕事をしていると、年度末は行政からの委託期間が
終わる時期でもあり、「業務を無事に終えて報告する」方向に
働きがちである。
かつてコンサルタント時代の私はそうだった。
でもそれでは何も次に繋がらず、業務を終えた僕らはまた次の町からお声がかかる。
それでは地域にとって何も残らない。
地元でできるアイデア・体制・持続力があれば、
本当は私達のような外部の専門家がいらないし、そうなるようにガイドすることも
専門家の役割であると最近は常に意識している。
そのために欠かせないことが、「現場で一緒に考え、汗を流す」こと。
私達だけが資料を用意し方向性を提示しても、それは地元のものではない。
それをたたき台に、生まれ変わる現場に身を置き、将来をイメージし、
現場で肌をつきあわせて議論することが「自分ごと」の意識をつくりだし、
その熱が伝搬し、まちづくりへと広がっていくと信じている。
極寒の商店街で、原寸大の段ボール模型をつくり、
オーニングや看板・照明等のサイズを考えてみる。
自分たちで考えたトレイルルートのサインづくり、
地元の子供達も呼んで、一緒になって汗を流す。
そこで一緒に共有した体験が、当事者意識を生み出す。
目に見えないハートの部分こそがまちづくりに繋がる原点だ。
手間隙かかるけど、長い時間をかけてまちを育むためには
それしかないんだといまのところは考えている。

呉服町アーケードプロジェクト企画会議

庵浦町トレイルワークショップ