Roots

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5月はカラッとしていて風が気持ちよく
過ごしやすい毎日ですね。

今年度のプロジェクトは色々な事情が重なって
例年よりもかなりスローペース。
こういう時は思い切って別のことをしたり、
新たな挑戦をしてみたり。。。

先日訪ねたミナ・ペルホネンの展示会。
とってもよかったです。
皆川さんの仕事に対する考え方、図案の生み出し方、
未来への眼差し、どれもとても参考になりました。

特に、図案のモチーフとなった自然に対する畏敬の念、
空想=想いの空間、手間をかけることは、
仕事観としてとても共感するものです。

長崎県立美術館の時もそうでしたが、
ミナさんの展示会は、展示の仕方がとても素晴らしい。
(建築家の田根さんが展示デザインを担当)

一見まちづくりの仕事と関係ないように見えて、
でも実はとても密接に関係していると個人的には思ってます。
特に私たちのような小さな小さな会社は、こうした独自の視点や
考え方、デザイン力を養っていかないと生き残ってはいけない。

新事業に関しても日々あれこれ空想しています。
そういう時間を作ってくれたのだとプラスに考えて、
毎日を大切に暮らしていきます。

(佐藤 直之)

これまで何冊も本を読み、講演会も聞き、個人的に感銘を
受けているのがアレックス・カーさん。
彼の新書「ニッポン巡礼」を一気に読了。

色々と考えさせられる一冊だった。
白州正子の「かくれ里」にインスパイアされて、
決して観光地化されていない人里離れた日本の地域の
魅力が描かれている。

一度唐津で彼の講演を聞いたことがあったが、
いかに観光を活性化するか、お客さんに来て喜んでもらうかという
ことを他のパネラーが話す中、彼はひたすらに日本の景観に対する
問題を話し続けていたことを思い出す。

この本に向けられている彼の眼差しはその時と全く変わらない。
インターネットが発達し、SNSが主流の世の中で、「インスタ映え」することが
もてはやされ、あっという間に観光地になる時代。
観光地になれば、やれ商売と自然を壊した道路や大型駐車場、お土産屋や飲食店が
乱立し、本来その場所が持っていた価値や景観が失われてしまう。

対馬の観光のあり方を議論する中で、オーバーツーリズムを回避し、
量よりも質を重視することを大切にした。
これからの対馬の観光コンテンツを作っていく中で、その礎となるのは
ずっと守られてきた地域固有の自然環境や歴史文化であって、
そこが観光客によって壊されるのでは本末転倒だ。
観光に訪れる人たちにも、その景観や環境を大切にしてもらう社会的責任を
持ってもらいたい。
思いを口にする若い事業者の声を聞き、対馬の未来は明るい、そう思った。

アレックス・カーさんも同様のことに警鐘を鳴らしている。
彼は素敵な景観に出会っても「良い風景だな」とは感じず、
「次に来る時は観光地化されて壊されてしまうんだろうな」と逆に不安を感じている。
経済発展のために、町の景色が短期間で変化してしまうのは、アジアそして日本の
特徴なんだと言っているのはまさに同感。

私も訪ねたことがある山口県の萩や奄美大島も記載されていて、
能登半島や三井寺、青ヶ島は読んで行ってみたいと思った。

でも、詳細な場所や地図情報やアクセスは書かれておらず、
追体験することを望んでいない。追体験してSNSで発信されて、観光地化されて
景観が壊されてしまっては元も子もないからだ。

地域の観光振興に携わる立場として、観光集客や消費という結果が求められる中で、
彼の言葉にはいつもハッとさせられる。
歴史も含めた、長い目線に立たないと、地域の暮らしや文化はあっという間に
経済という怪物に食べられてしまい、もう元には戻らない。
その両輪に立ってどう地域の観光を活性化していけば良いのか、
非常に悩ましいけど、地域の人達と一緒に考えて、汗をかいていかねばならない。
南会津の茅葺き教室はほんと素晴らしい取り組みだと思う。

日本にルーツを持たないのに、日本人よりも日本の文化や景観のことを勉強し、
それらを次世代に残していく必要性を訴えている。
日本人として生まれてきたのに、そこまで日本のことを学んでこなかった自分が
恥ずかしくなる。地域という生きた教材があるのだから、もっともっと日本のこと、
地域の文化や景観のことを学んでいこう。
日本にはまだまだ素敵なローカルがたくさん残っている。

この本を読んで、自分なりに伝えたい地域の魅力や旅のあり方が
ぼんやりと浮かび上がってきた。

とても共感できる本でした。
いつか彼と会って話してみたい。

(佐藤 直之)

昨年末から読み始めた司馬遼太郎の「坂の上の雲」ようやく読了。
思い返せば20年前、大学の研究室の必読書だったが、
当時読書嫌いだった私はさも読んだふりをして結局最後まで読まず、
その後読んでは挫折、読んでは他の本に浮気を繰り返しながら
本棚にひっそりとしまっていた。

変化は昨年。対馬市の観光振興推進計画の仕事をする中で、
対馬に根付く日本のルーツにすっかりハマってしまい、
国防の最前線としての役割を担った日露戦争に改めて触れることで、
もう一度読み直そうと決意。

年度末の繁忙期の最中、何度も読書が中断したが、
それでも今回は話の展開の興味が勝り、
時間はかかったけどようやく読了。

明治維新が起こり、死に物狂いで世界に追いつこうと
小国日本が頑張った時代。
馬鹿にされながらも、人材を海外に留学させて学び、
隣国朝鮮の立場=つまりは日本の国防が脅かされる中で
どう大国ロシアと戦ったのか。

秋山兄弟だけでなく、日露戦争を舞台にした人間ドラマが
とても面白かった(どこまでが事実か脚色かはわかりませんが)。
そして、小さいなりに知恵を使い、戦略を持って勝利した戦い方は、
私たちのような小さな会社にとっても参考になるものでした。

そして、この本を読んでいる最中にウクライナとロシアの戦争が始まった。
歴史小説として読む分には良いですが、決して戦争は繰り返されるべきではない。
1日も早い終戦を祈念しています。

(佐藤 直之)

GWがあけてから、そんなに忙しいわけでもなく、
でもあっという間に1週間が過ぎ去り、
今週頭には今年度初のプロポーザルのプレゼンに挑戦。

結果は・・・採択いただくことができました!
いつまで経っても、こうして時間をかけて、企画を温めて、
想いをぶつけて、そして結果として認められるという
プロセスは、素直に嬉しいものがあります。

サラリーマン新入社員の時に、自分で初めて書いたプロポーザルの
企画書が採択されて、あまりにうれしくて支店長のところに
一目散に報告に行ったことを今でも鮮明に覚えています。

その新入社員の時に主担当として初めて関わった地域と、
今回独立してルーツとして初めて関わる地域が同じ熊本県。
(熊本県でも市町村は異なりますが・・・)

熊本県は好きな地域が多くて、キャンプや旅によく出かけます。
今回採択された地域も、2年前の夏に家族で旅したエリア。

楽しみです、ワクワクしています。
何より観光目線で楽しむことからスタートしたいと思います。

(佐藤 直之)

大型連休も残りわずか。

毎年恒例のインプットツアーから無事に戻ってきました。
ハイライトをここにメモしておきます。

しっかりと充電できたので、連休明けからはしっかりと
アウトプットしていきます!!!

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新門司港から名門大洋フェリーで大阪南港へ、
そこから車で向かったのは福井県立恐竜博物館。

さすが恐竜の街というだけあって、アプローチする道端には
恐竜のモニュメントやサインが。
博物館はGW外しただけまだマシでしたが、それでもすごい人手。
博物館自体の見応えはもちろんのこと、個人的にはオプションの
化石発掘ツアーがとても面白かった。

恐竜の化石発掘現場まで連れて行ってくれて、
そこで実際の研究員さんの指導のもと化石発掘体験ができるのは
ここ福井ならでは。

福井県立恐竜博物館・化石発掘ツアー

鑑賞・体験後は福井駅前に移動して、地元の居酒屋へ。
福井のお魚、地酒、やっぱり美味です。
本当はこのまま、金沢や富山、新潟の日本海ツアーに行きたかったのですが、
帰りのアクセスを考えると諦めるしかありませんでした・・・
次回は是非とも北陸の旅リベンジを。

福井の地酒は絶品でした。

福井の次に向かったのは岐阜の奥飛騨。
その途中、久しぶりの白川郷へ。
大学卒業後の新入社員時代に行ってからもうかれこれ20年ぶり。
そのころと雰囲気は全然変わってませんでしたが、窓が特徴的な
合掌造りのかわいい建物とその奥のアルプスの風景が
数年前に旅したスイスの風景と似ているなーと思っていたら、
民家園の展示にブルーノタウトさんが同じことを言っているコメントを発見。

20年ぶり?世界遺産の白川郷。

白川郷の後にして奥飛騨温泉郷へ。
温泉旅館で1泊し、翌日は気になる体験スポットへ。
地元の有志が取り組んでいるレールマウンテンバイクへ。
廃線になった列車の跡をマウンテンバイクで巡るという体験で、
渓谷コースとまちなかコースの2つありましたがまちなかコースを選択。
レールの上を走る臨場感は列車そのもので、風景と感動体験はかなり
満足度の高いものでした。これはとても参考になりました。

奥飛騨温泉駅

レールの上を走るレールマウンテンバイク、体験・風景ともにとても参考に。

レールマウンテンバイクの体験後は、奥飛騨温泉キャンプ場へ。
GWを外したためは私達以外に1組だけ、ほぼ貸切状態。
アルプスの景色、川のせせらぎ、新緑の鮮やかな緑と、
九州とはまた風情の異なるキャンプ場で大満足でした。

奥飛騨温泉郷キャンプ場。クラフトビール、絶景、温泉、最高でした。

キャンプの翌日、当初は上高地に軽くトレッキングに行くはずでしたが、
この日は大雨でなくなく断念、松本市街地へ向かいました。
夕方のニュースを見たら、ちょうど私達が行くはずの上高地のアクセス道路で
崖崩れが発生して大変なことになっていました・・・

松本は以前雑誌で特集を読んだ時からずっと行きたかった街の1つでした。
民芸や古いものが現代に溶け込んでいる、そんなイメージを持っていました。
松本に行ったことがある詳しい友人がいたので、色々と情報を入手して、
松本の市街地を街歩きしました。

まず向かったのは国宝・松本城。
白の姫路城、黒の松本城?と言いたくなるほどに、シックな外観と
お堀・新緑の緑がとってもかっこいい。見応えがあるおすすめのお城です。

友人おすすめの松本城は国宝ならではの見応え。

松本城の別アングル。

その後は、街中に点在する古道具屋さん、カフェ、文房具屋、老舗菓子店、ショップ
などをぶらぶら。レトロな建物を生かした拠点があちこちにあって、とても雰囲気がある
素敵な街です。ランチに立ち寄った信州そばのお店も絶品でした。

松本に点在する古道具・雑貨屋。

レトロな建築物のミナペルホネン。

信州そばはどこも絶品。

松本の街歩きを楽しんだ後は、長野南エリアへ。
伊那エリア周辺は信州キャンプの人気エリアで、人気キャンプ場の1つ
いなかの風キャンプ場へ。遮るもののないアルプスの風景、もう最高ですね。
こんなうっとりする景色なら、せかせかせずにゆっくり身を置きたいと連泊する
予定でしたが、翌日の予報が大雨だったので急遽連泊をキャンセル・・・
(実際、かなりの大雨だったのでキャンセルして大正解でした)

信州で人気のいなかの風キャンプ場。アルプスの借景は贅沢そのもの。

大雨の中向かったのは諏訪エリア。
諏訪湖の周りをぐるぐるドライブしていたのですが、
雨で視界が悪く諏訪湖は全く見えませんでした・・・
諏訪名物の釜飯と諏訪エリアで人気の古道具屋が楽しめたから
まぁ良しとしましょう。

諏訪名物の釜飯。

諏訪の古道具・リサイクルショップ。大雨にもかかわらずすごい人手でした。

長野・岐阜の南エリア、ずっと行ってみたかった場所がありました。
中山道の宿場町で街並みがきちんと保存されている、妻籠宿と馬籠宿。
近くには奈良井宿もあるので、まとめて3エリアの宿場町を訪問。

道幅や傾斜、背後の風景、並んでいるお店が違うためか、
それぞれの宿場町に特徴があって、街歩きがとても楽しかったです。

奈良井宿。

車窓のあちこちにアルプス。信州ならではの風景。

ヤマモモ街道。

妻籠宿。

馬籠宿。

信州をドライブしていると、あちこちにアルプスの風景が見えます。
このアルプスに囲まれている風景は信州ならでは。

アルプスの風景。

最後に旅の疲れを癒すべく、下呂温泉へ。
贅沢に温泉旅館で一泊し、地元の料理に舌鼓。

下呂温泉。

下呂温泉から福岡までは車で12時間近くかかるため、
中間地点の岡山市で1泊。
(帰りのフェリーはGW料金で行きの2倍以上!)

何気なく立ち寄った岡山市街地には、面白いショップや古道具屋、
そして美味しい飲食店がひしめきあっていて新たな発見!
またゆっくり遊びに行きたくなりました。

最後に立ち寄った岡山の古道具屋。

岡山を後にして、6時間かけて福岡に到着。
旅は無事に終了しました!

(佐藤 直之)

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