5日目の朝。
いよいよ旅も終盤戦に突入。
この日は視察目的の1つであるファーマーズマーケットへ。
ポートランドのダウンタウンでは、春から秋にかけて、
毎日いろんなところでファーマーズマーケットが行われている。
つまり、生産者から直接食材を買うことは、ポートランダーにとっての日常。
生産者と生の対話を交わし、自分の目で確かめ、新鮮な食材を食卓に。
なんとも豊かな暮らしだろうか。
私達が目指すは、一番規模の大きいポートランド州立大学のマーケットだ。
もうStreetcarはお手の物。車内にはエコバックを持った人たちが乗ってくる。
予想通り、ファーマーズマーケットの最寄の駅で下車した。

ポートランド州立大学
大学がこうして身近に開放されることはとっても良いことだ。
朝一で来たつもりが、既に多くの来場者で賑わっている。

多くの人で賑わう会場
ファーマーズマーケットは、五感で私達を魅了する。
色とりどりの果物や野菜、オーガニックの加工食品、香ばしいパンやビスケット。
それぞれに個性があって、ついつい足を止めてしまう。

彩り豊かなイチゴ・ラズベリー

新鮮な野菜

オーガニックのジャム

パン・ビスケット
見ているとお腹が減ってくる。早速朝食探しだ。
マーケットにはいろんなお店が出店しているが、木製のセンスあるカートに目が止まる。
クレープ屋のようだ。このクレープが大当たり。とっても美味しかった。

朝食に食べたクレープ屋さん
お店が所狭しと立ち並ぶ一方で、ゆったりと休憩できる芝生広場がある。
この空間がまた気持ちの良いこと。

芝生でゆったりとくつろげる
私達と同じく朝食を食べる人たち、はしゃぐ子供達を見守る親御さん、
様々な楽器で演奏するアーティスト達。
特別に「イベントのための」空間を作らずに、このままの気持ちの良い空間を活かす。
ファーマーズマーケットが醸し出す空気感が、全体的に統一して広がっている。
何気ないことだけど、とっても大切なことだ。
中庭では、生産者の食材を活かし、料理人による調理のワークショップが開催。
いわゆる一部の人たちの、お固いものになりがちな教室を、オープンな場でやる
この発想がとっても新鮮で面白い。

シェフによるワークショップ
気分がゆったりとする土曜日の朝。少し散歩でもしよう。

大学からウォーターフロントパークへ
ウォーターフロントパークは、ジョギングする人や散歩する人で賑わう。

Morrison Bridge

気持ちの良いウォーターフロントパーク
地元の人から、土曜日の朝にウォーターフロントパークでマーケットがあるよと
教えてもらったので行くことに。既に会場はたくさんの人で賑わっていた。
ここはファーマーズマーケットと違って、「ザ・お祭り」って感じの雰囲気。
子供連れも多く、わいわいがやがやと。
小さなステージでライブやショーが行われ、会場内には屋台や雑貨屋、絵画・写真、
中にはタトゥー体験まで、バラエティー豊かなお店が出店している。

Saturday Market

マーケットには様々なお店が並ぶ
Burnside Bridgeの近くで開催されているため、ランドマークの看板には撮影客も。
ミーハー心に火が付き、私達も記念撮影を。

ランドマークの看板を見上げる。
イベント会場をぐるっと一通り見て歩き、会場を抜けてダウンタウン方面へ。
特にあてもなく歩いていると、ユニークな建物やショップを発見。
壁面にペイントされた自転車屋のサイン、ビィンテージショップの玄関に敷き詰められた
タイル、鞄屋さんのショーウインドウに飾られたレトロなポスター・・・
さりげないけど、こうした個店の意識やセンスが、無意識に感じ取る街の気配に繋がる。
ポートランドには、こうしたレトロな設えがあちこちにあって、それが集合体となって
街のイメージになっている。公と民、どちらのアプローチも街には必要だ。

建物壁面にペイントされた自転車屋のサイン

玄関前にあしらわれたタイル

鞄屋さんのディスプレイに飾られたレトロなポスター
夕方に向かうNorth Eastへのバスのアクセスがわからない。
困ったらひとまずPioneer Squareの観光案内所へ。
偶然にも広場では、サンドアートのイベントが。
近づいてみて見ると、完成度が低い・・・ま、良しとしよう。

SAND IN THE CITY
今回の旅で不便だと思ったことは、ガイドブックにも観光案内所にもバスの路線マップが
ないということ。ポートランドを隅々まで楽しむためには、バスの路線図は必須だ。
結局は、観光案内所に掲示してある路線ポスターをカメラに記録し、それを頼りに
バスの系統を調べ、目的地へと向かった。
(おかげで、ポートランドのバス網はほぼマスター)
今日のディナーは、LE PEGIONと同じく、創作料理で人気の「NED LUDD」。
周辺はあまりお店もなく、ひっそりと佇んでいる。

NED LUDD
ここでも、サラミとチーズのプレートを。
量が結構多いから、この1皿でかなりお酒が進んでしまう。

シェフのオススメ
日本のコース料理だと6−7皿出てくるけど、この量が出てきたらもう無理だ。
結局、あと1皿メインディッシュを頼んだらお腹いっぱいになってしまった。
このお店にはテラス席が設けられていて、お客さんは気持ちが良さそうだ。
テラス席にしておけば良かったと少々後悔。

気持ちの良いテラス席
昨日行ったブリュワリーもそうだったけど、屋外で食べる「時間・空間」って素晴らしい。
こんな時間が過ごせる週末だったら、きっと心も体もリセットされる。
自然要素が少ない都心部でも、工夫次第でこうした緑豊かな空間がつくれる。
この次に行ったお店で、テラス席を選んだことは言うまでもない。