
那珂川の将来的な空間デザインの提案

那珂川の活用イメージスケッチ

博多川の活用イメージスケッチ
福岡市都心部に流れる那珂川と博多川。パリのセーヌ川やロンドンのテムズ川といった世界の水辺都市に負けない豊富な水辺空間があるのに、川がまちの表になっていない。福岡市は、かつて河川を通じた世界との貿易で発展し、川沿いには映画館やカフェ等の社交場や子供の遊び場があったほど、河川とは親しみのある水辺都市であったのだ。
そこで、当時私が所属した九州大学景観研究室の自主提案プロジェクトとして、saruk project(さるく ぷろじぇくと)を立ち上げた。プロジェクトでは、story along river of urban key=「都市の鍵となる川沿いにまちの物語を展開する」というコンセプトを掲げ、福岡市民が日常的にぶらぶら歩き(博多弁で「さるく」という)、都市生活を楽しむ表舞台として、那珂川・博多川のウォーターフロント空間を再生する都市デザインの提案を行った。
川沿いに連続した水辺のボードウォーク、通勤や買物、観光に寄与する水上交通網の整備、都市生活を楽しむ水上公園や水上野外劇場、水上商店街など、学生なりの思いきった提案を行った。
提案内容は、官民で構成された水辺空間研究会(現NPO水辺都市福岡を創る会)やソラリアゼファーで発表を行い、2007年以降に実施された「博多の水辺魅力創出プロジェクト」へと繋げることができた。建設コンサルタンツ協会九州支部 第1回まちづくりに関する提案の募集 優秀賞受賞(2002)。