Roots

blog

通常、Rootsのクライアントは行政や観光・旅館組合、商工会議所といった
公的機関が多いが、最近では少しずつ中小企業からの相談も増えている。

先週の木曜日には、唐津で古民家再生・集客に取組む槌の音の槌野さんから
ご相談をいただき、全国の中小企業のコンサルティングを担う「一般社団法人 中小企業の
企画部を代行する会」
の方とお会いした。
ビンのデザインやWeb、映像、古民家再生、商品企画等を専門とする、面白いプロフェッ
ショナルばかり。会う前までは「何を私に・・・」と少々不安ではあったが、中小企業
の商品開発やテストマーケティング等の立ち上げ段階における行政機関との連携・助成
制度の活用、企業単体ではなく地域との連携によるまちづくり・観光の支援など、
私の専門で協力できそうな部分が確かにあった。

そして金曜日。大分市の中小企業さんから以前相談を受けた企画のプレゼン。
企業単体ではなく地域と連携していかに賑わいをつくっていくか、
まちの活性化に繋がる新規事業を提案して欲しいと私に依頼があったのだ。
プレゼンは上手くいって、非常に喜んでもらえた。

まち側も行政だけでは活性化が実現できず、民間の活力を求めている。
一方で、企業側も単なる商売繁盛や課題解決だけでなく、
地域や行政と関わることでまちの活性化を求めだした。

中小企業の方々とのお仕事は、
公的機関とは求められる視点が違って面白いし、
不思議とまちへの価値観が同じだったりする。
これからはこうした「地域と中小企業のパートナーシップ」にも
目を向けて行きたい。

仕事のフィールドがどんどん拡がってワクワクする。
そして、自分の専門分野がますますわからなくなりそうだ(笑)

大分市街地の好きな風景。大分銀行から府内五番街に抜ける道。

大分市街地の好きな風景。大分銀行から府内五番街に抜ける道。

ストックホルム3

ストックホルム2

まちの図書館は、単なる本の貸借りをする場所ではない。

その土地の歴史が詰まった生き字引でもあり、
市民にとっての知の交流空間でもある。

私がこれまで見に行った図書館の中で、
群を抜いて美しく感動したのはストックホルムにある
「ストックホルム市立図書館」。

E.G.アスプルンドの設計で有名なこの図書館。
かの安藤忠雄さんも「司馬遼太郎記念館」をつくるときの
参考にしたほどまでに、魅力的な建物だ。

この図書館がすごいのは、「公共の施設」ということだ。
当たり前に日々利用する場所にこそ、気持ちを豊かにしてくれる
設えや居心地がきちんと用意されている。

公共にこそ、優れたデザインが必要である。

今週は1泊2日で佐世保出張。

1日目は昨年度関わっていたブランド観光圏のセミナーに参加し、
観光の本質が「地域の暮らし」にあり、その地域を磨くことが
観光に繋がって行くという清水 愼一さんの言葉に勇気づけられた。

翌日は昨年度に引き続き、俵ヶ浦半島のトレイルワークショップ。
ワークショップまでに時間があったので、久しぶりに佐世保を巡る。
ずっと行きたかった「針尾送信所」へ。無線塔の真下に立つと、
その構造物の偉大さがよくわかる。
危ないだろうけど、せっかくだったら中に入りたかった。

針尾無線塔

針尾無線塔

そして、土木コレクションの図録に掲載されている西海橋へ。
改めて美しいなぁとしみじみ。

西海橋

西海橋

お昼には、一度行きたかった、西海市の海の駅「船番所」へ。
海鮮のランチバイキングと聞いてはいたけど、魚の種類が少なかったなぁと
少々物足りなさを感じて会計を済ませると、その隣に「お寿司コーナー」を発見・・・
まぁ全体的には美味しかったので良しとしよう。

佐世保・西海をさーっと回ってリフレッシュしたところで、いざ俵ヶ浦へ。
久しぶりの俵ヶ浦町、地元の方々。
お部屋に入ると、“いつもの”差し入れが机の上に置いてある。
かから餅というのだそう。
「今回のは失敗だなぁー」と勧められたけど、十分美味しかった。
俵ヶ浦の魅力は、九十九島の景観や歴史遺産、豊富な食材・自然はもちろん、
このあったかい人のおもてなしが何より。

地元の方々にいただいたかから餅

地元の方々にいただいたかから餅

かから餅を食べて、地元の方々との会話も弾み、
九大樋口先生のリードで、今年のやることのアイデア出し。
「うちのまちに若い人なんてくるとかいな?」なんて不安を言いながらも、
気がつけばまちの釣り自慢がはじまり、最後には「うちのまちは最高じゃ!」って。
シャイだけど、とっても素敵な人達が俵ヶ浦町にはいる。
それで十分。あとはどうやってここの豊かさを伝えるかが大切な仕事。

夜は、今年から始まる隣の庵ノ浦町へ。
まずはお決まりの「まち自慢」から。
ワークショップを始めると、まちの物語や資源が出てくる出てくる。
2時間、話は尽きませんでした。

これだけのまちへの愛着とエネルギーがあれば、
きっとうまくいく。あとは、その地域の思いをどう形にして、
内外への発信と交流、将来的には暮らしの継承(=移住を視野に)に
繋げていくか。そこが、私達よそ者の出番。

観光もトレイルコースをつくるのも、
やっぱり原点は地域づくり(=地域から、地域の暮らしを豊かにすること)。

いろんなまちで、迎えてくれる素敵な人達がいる。
これだから、地域づくりの仕事はやめられない

進行中の仕事がいくつかあるが、
まだ表舞台にあがっていない水面下のプロジェクトが沢山ある。

その街について、自身がずっと温めて続けているもの。
憧れだった方との夢のプロジェクト。
ご縁を頂いた街のリニューアルのお仕事。

どれもまだ予算はなく、数人のキーパーソンの方と
事業の戦略を練っている段階だ。

事業の目的や本質を考える。企画書をつくってみる。議論をする。
また考える。企画書を練り直す。人に問いかけてみる。
発見があった。少し前進。

そんなサイクルがここ数年続いている。
まだまだ実になるのは先かもしれない。
体はひとつしかないから早くと焦る気持ちと、
これからの実現に期待が膨らむワクワク感が入り交じる。

HIGH LINEの本を読んで、ロバートとジョシュアに感化された。
芽が出るまでのこの時間が大切なんだと。

焦らずにじっくりと。
ゆっくりゆっくり温めよう。
信じていればきっと、実になって出てくるはずだ。

2011.10  イタリア/マナローラ

2011.10 イタリア/マナローラ

books0915_roots

「街場の憂国会議」に続き、内田樹さんの著書「街場の共同体論」を読了。

「巨人の星」にあったような父の威厳というか権力がいまの家族には
なくなってきていることや母親の「父親兼任」が進んでいるという家族論。
私が育った家庭では、特に父が威張り散らしていた訳でもないし、
料理つくったり皿洗ったり子供と遊んでくれた父の姿が当たり前にあったから、
内田さんがいういまの家族のあり方がすっと入ってきた。
そういう私も父になり、育児や家事を楽しんでいる。

ただ、バブル期をはじめとする日本の経済成長に合わせるように、
家族の消費形態も個別化され、家族自体が崩壊して行くことには危機感を持った。
そして、経済成長が進むに連れて資本主義は加速し、人を見る価値基準が
「年収」になっているという日本社会。。。
楽してお金を稼ぐ方法を学ぶ場が「教育」だとしたらとんでもない間違いだ。

「経済成長」という価値観のもとで世界が動き、コミュニティが崩壊して行く。
そんな日本の将来に警鈴を鳴らし、内田さんは「弱者からのコミュニティの再生」
「師弟関係の再構築」を提案している。

師弟関係の下りは、とっても納得する。
私自身いまこうして独立できたのも、師匠の存在があったからこそだ。
若い頃に師匠に出会えなかったら、きっとなんとなく流された人生を送っていたと思う。
まだ違うフィールドでの師匠に出会えるかもしれないし、
僕よりも一回りも若い20代の子達には師匠と呼べる人を是非とも探してほしい。
探して見つかれば、あとは必死に学んで行けば良いんだもの。

まちづくりを考える上で、とっても大切なことを学べた。
ありがとう、内田さん。

ご興味がある方は是非とも。

Copyrights