Roots

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2014.01.08 / news

たいせつな本

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取材をするのは好きだけど、取材をされるのはあんまり好きな方ではない。
ただ、このお話を受ける前、唐津のみなとイベントについて取材を受けたときから、
とっても興味深く熱心に話を聞いてくれた朝日新聞の記者、原口さん。
記事にするしないにかかわらず、やっていることに対して興味を持っていただき、
根掘り葉掘り質問攻めをしてくれたことがとっても気持ち良くて嬉しかった。

その方から、「たいせつな本」というお題で取材をさせてほしいと年末に依頼があった。
大切な本・・・高校卒業まで大の本嫌いだった僕にそんな依頼が来るとは。
正直最初は受けるか戸惑ったけど、大好きな記者さんからのご依頼だったし、
これも何かのご縁だなと思い、お引き受けすることに。

大学時代からは結構本を読むようになったので、何にしようかと悩んだ。
でも、せっかくだったらいまの自分の働き方や生き方のきっかけになったものが
良いなーと思って真っ先に浮かんだのが「連戦連敗」でした。
詳細は、プロに書いてもらった記事に譲るとして、大阪生まれの私がデザインとか
建築とかに興味を持ち始めた頃に一番身近な「憧れの人」だったのが安藤さん。
独学で、悔しい想いをたくさん重ねながら、世界の建築家と
肩を並べるまでにのぼりつめた努力の人。

自分が初めて一人旅をしたのも、安藤さんの写真集をみてのことでした。
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この写真集に掲載されていた直島のコンテンポラリーミュージアムに。
これで建築物や風景を見て回るたびに目覚めはじめ、安藤さんの作品が
多い実家の大阪に帰省する旅に、サントリーミュージアムや光の教会や
住吉の長屋等をみにいってました。

よく彼がいう「建築と闘ってください」ということ。
私が係る地域づくりや観光にとっても、とても本質的なことだと
いまでも感じます。住んでいる人がまちの資源を大切に、
愛着を持ってどうまちを育てて行くか。

おぼろげに感じていた安藤さんからの影響をこうしてはっきりと
整理できた気がします。朝日新聞さん、ありがとうございました!

2014.01.03 / dairy

年男、始動。

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新年あけましておめでとうございます。

4月に独立、9月には第1子の誕生と、
昨年は公私ともにスタートの年でした。
同時に、新たなご縁を沢山いただけた
実りある1年でもありました。

年末は、熊本の豊かな自然に抱かれた温泉旅館と
家内の鹿児島の実家で家族とゆっくり過ごし、
新年を迎えました。
新年早々、生まれたばかりの息子と雄大な桜島を拝めたのは、
鹿児島ならではの贅沢です。

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そして、本日より仕事始め。
今年はなんといっても「年男」。
根っこから、地域を日本を豊かにするプロジェクトに
さらに尽力して参ります。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。

Roots 代表 佐藤 直之

2013.12.11 / dairy

My Family

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早いもので今年ももう終わり。

今年は独立に出産にと、公私ともにスタートの一年となりました。
これも、多くの方々に支えられて初めて叶ったことです。
本当にありがとうございました。

我が子大志との生活は変化に富み、希望に満ちています。
この瞬間は二度とない。そう思うと、一日一日が愛おしくもあります。
そんな日々や感動をしっかり記憶に留めたい。
そう思って、3人の風景を撮影してもらいました。

撮影をお願いしたのは、唐津ローストでお世話になった
熊本のカメラマン、白木さん(ワイトリー写真事務所
温かくて優しくて。何気ない日常を素敵に撮ってくださいました。
素晴らしい記念になりました。

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唐津の海辺に佇む二タ子三丁目倉庫

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豊かな唐津の海

唐津の海辺に佇む空き倉庫を見つけたのはかれこれ5年前。
それから、倉庫が唐津市に無償譲渡され、
地元有志が集まった「唐津みなとまちづくり懇話会」によって
活用の検討が行われた。最終的には、そこを使うであろう地元の若い
飲食店オーナーやアーティスト、デザイナー、プランナー等で構成された
「GATSU FACTORY」に再建の道を託された。

具体的にどういう活用が望ましいのか。地元で全くと言っていいほど
認知されていないこの倉庫が、唐津にとってどんな意味を持つのか。
眼前には海が広がって、波音が静かに聞こえる。
豊かな場所であることは間違いない。
まずはこの場所に来てもらって、知ってもらうことが必要だ。
そこで、3年間の期間をもらい、どんな活用が望ましいのかを検証する
社会実験と称したイベントを開催することにした。

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第1回(フリーマーケット)

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第2回(プチクラフト展)

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第2回(スケボー大会)

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第3回(クラフトマーケット)

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第4回(一夜限りのみなとBAR)

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第4回(一夜限りのみなとBAR)

毎回毎回違うことにトライし続けた3年間。
集客という実績は得ながらもどこかしっくりこなかった3回目。
具体的に「こんな空間にしたい」というイメージがはっきりしたのが4回目。
10月中旬に開催した4回目のみなとBARは、ガツファクトリーのメンバーが
ひとつになってつくりあげたと実感できた。
手間ひまかけた分、来場者からお褒めの言葉をたくさんいただいて、
非常に達成感のあるイベントとなった。

この4回目で、ひとまず3年間の社会実験は終了。
延べ4000人程度の人には来てもらい、唐津に海があることを知ってもらえた。
「こんな場所が欲しい」と、みんなが一生懸命になって、
なんでもかんでも言い合える仲間ができたことが何より嬉しかった。

社会実験の成果を踏まえて、みんなの想いがこもった
活用提案書をつくります。

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GATSU FACTORYの有志達

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須賀神社から望む小城市街地

独立してから、少しずつではあるが、地域活性化や観光、
地域ブランドのお仕事をする機会をいただいている。

その中で、地域づくりをこれからを担う地元の若手の方々
(といっても私より年上ですが…)を対象に、数回のまちづくり勉強会の
機会をいただいたのが佐賀県の小城市。
冒頭の写真は、よく観光ポスターで使われる小城市の代表的な風景。

小城市は何度も通ったことはあるが、お話をいただくまで降り立ったことが
なかった。「羊羹のまち」というイメージは持っていたが、佐賀の小京都とも
言われる風光明媚なまちのイメージはあまりない。そんなまちのことも知らないで
お話するなんてとんでもない。そう思い、小城市役所の方にご案内をいただいて、
まちなかを歩いて散策。

すると、羊羹以外にも、お宝がいっぱい!鉄道旅が好きな私にとって、
まず嬉しいのは小京都をイメージづけるこの駅舎。
いつもヨーロッパを旅した後にがっくりするのが日本の駅前の画一的な風景だが、
小城にはその佇まいがまだ残っている。

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佐賀の小京都の玄関口。

小城の市街地は、この駅から山間にある須賀神社までがシンボルロードに
なっていて、まちの構造がとってもシンプルだ。これ、活かさない手はない。
須賀神社までは歩いていくことができて、その道すがらにリノベーションされた
施設や酒造、豊かな川が流れていたりと、歩くにもとっても良いところ。

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小柳酒造の歴史的な佇まい

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近年改修された旧深川家住宅(外観)

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近年改修された旧深川家住宅(内観)

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須賀神社前を流れる豊かな河川

そして何より、須賀神社がまちにアクセントを与えている。まちのシンボルだ。
須賀神社を上ると、豊かな自然と美しい景色を望める展望台が用意されている。
展望台でお会いしたおじちゃんは、定年まで大阪で働いた後にUターンで地元の
佐賀に戻ってきたが、小城の豊かな自然や文化に惚れ込んで移り住んできたそうだ。
毎日ここに来て風景を眺めているらしい。こういうおじちゃん、まちにとっては
とっても大切な存在。こういうまちに想いを持った方をお見かけすると、
無性にヒアリングしたくなる。。。その会話の中に、再生へのヒントがきっと
隠されているからだ。

須賀神社からまちへ降りると、そこそこに水路があったり、意外なところに石垣の道
があったりと。まだまだ活用できる地域資源がたくさんあることに気づかされる。
ほったらかして地域にとってはお荷物と思えたものが、これからの時代のまちづくり
においては反って、よそのまちにはつくれないまちのアイコンになっていく。

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市街地の随所に見られる水路

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隠れた石垣通り。

仕事と趣味の旅行とで、年代の割にはいろんなまちを訪ねている方ではあるが、
まだまだ知らないまちが多いし、ルーツが残っているまちもまだまだ日本にある!
と改めて実感した。
嬉しかったし、私のような「よそ者のおせっかい」がやるべきこと、お手伝い
するまちはまだまだある。高度経済成長で物質的に豊かになった日本は、
その次のステージとして、心豊かな社会の実現に向けたアジアのリーディング
カンパニーにならないといけない。

今朝の西日本新聞の「言葉のあやとり」の中で阿木燿子さんが随筆されて
ほんと同感だったけど、ゆるキャラという発想自体が安易であり、
地域はいつまでその「一過性の事業」に手を染めるんだろうかと嘆いてしまう。
建築家の藤森照信さんが言うように、個人の一生の思い出となる歴史的な建物や
暮らし、芸術文化といったまちの記憶を継承しながら、新たな感性を持ち込み、
まちとしての新陳代謝をいかに実現するかを考えないといけないと私は思う。
そのまちの再生の手がかりとなる資産が、小城市にはたくさん残っている。

勉強会の後に地元の若手の方々とお話ししている限り、その安易な方法ではなく、
30年、50年を見据えたまちづくりを真剣に考え始めているので心配はない。
あとは、その一歩をどう歩みだすか。考えた後は実践しかない。
私にはその一歩を歩みだしていただくきっかけしかつくれないけど、
このまちの佇まいがこの先もずっと残っていく方向へと舵を切ってほしいと
願っています。

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