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私を育ててくれた街、唐津。

関わってかれこれ8年目。
いま様々な地域のまちづくりに関わらせていただき、
専門的なアドバイスができているのも、
唐津という1つの街で地域にどっぷり浸かり、
現場からの事業提案・実践をさせてもらっているからだ。

毎年お仕事を頂けるだけ本当に幸せなこと。
8年も関わっていたら、唐津の中でも様々な現場に出会い、
人付き合いも増えてきて、いまじゃどの街よりも知り合いがいる。
近所の子供や後輩のように可愛がってくれる。
だから、自分にとってはかけがえのない街なのである。

今年は中心市街地の活性化だけでなく、観光戦略や歴史まちづくり、
景観まちづくり、唐津焼プロジェクト、文化遺産の再生と、
多種多様なプロジェクトが同時並行で動いている。

「唐津は良いものがあるけど、PR下手だ」と言われて久しい。
でも、今年の街の空気はどうも違う。
地域の方々のエネルギーが変わってきてるし、1つになろうという
意識も徐々に芽生えている。

いま、集落の再生をテーマにしたドラマ「ナポレオンの村」が
人気を集めているが、ドラマとは言えど、地方の現状と活性化するための
ポイントをよく捉えているなぁと楽しく拝見している。

でも、地方の現実はそうではないし、スーパースターは要らないと私は
常々思っている。スーパースターがいなくなったら、街は終わってしまうから。
そうではなく、様々な分野・年代で、その街に住んで、想いを持って、自己実現できる
仲間と機運がある街が、私にとっては素敵な街だと思う。

私の役割は、主人公役の唐沢さんになることではない。
自分が街を活性化した中心人物として表に出るというよりは、
「こうしたい」「こんな街にしたい」と地域の人たちの熱い想いを
「見える化」するべく、戦略を立て、企画をつくり、実現化のための
道筋を作るための裏方に徹することなんだと。

歴史に景観に食に文化に・・・他都市がうらやむ資源が既にある。
そこに、住んでいる人たちが本気になる。
これからの唐津をお楽しみに。

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唐津市の中心市街地活性化事業に携わってからというもの、
比較的まちの中心部の活性化に関する相談、業務委託が多かったが、
ここ数年で中心部から外れた地域でのプロジェクトがはじまっている。
つまりは、少子高齢化がリアルに進んでいるところである。

1つが佐世保市俵ヶ浦半島、1つが福岡市西区北崎地区。
両プロジェクトともに、私の恩師である九州大学の樋口先生の研究室から
お声掛け頂き、ワークショップのファシリテーションやマップ作り、
定住化に向けた調査等の役割を担っている。

俵ヶ浦半島はトレイルコースづくり、北崎地区は地域全体の活性化プランづくりと、
目的は地域によって違っているものの、最初のアプローチは一貫して「昔語り」から
始めている。

「うちのまちにはなんもない」
大概の地域に入ると、まずこの言葉が返って来る。
いくら外の人間が褒めたところで、その疑念は払拭できない。

そこで、地域の人達を集めてこの「昔語り」をするのである。
そうすると、でるわでるわ、ファシリテーションがまとめきれないほどの輝かしく
豊かで温かな思い出、暮らしの風景、食、文化があぶり出される。
そして、「まちを愛してやまない住民の存在」を発見するのである。

これだけ豊富な資源と、地域に誇りを持つ住民が地域の中で共有されると、
ワークショップに参加する住民の顔も自然と笑顔になってくる。
「この地域の良さをもっと知ってもらって住んでほしい」
そう前向きな志向へと変わっていく。
後は具体的なビジョンを掲げて、どこから着手して行くかの道筋さえ決めれば
自ずと進んでいくだろう。

同じまちづくりでも、同じ町の中でも、取り巻く生活環境・経済状況が異なれば、
地域の声を引き出すアプローチも変えて行かないといけない。
実践しながらも、大学との協働プロジェクトでこうして学ばせてもらえるのは有難い。

関わりができた地域には、じっくりゆっくりと住民と語り、
できるだけ長くお付き合いができますように。

佐世保市野崎町でのワークショップ

佐世保市野崎町でのワークショップ

福岡市西区北崎地区でのワークショップ

福岡市西区北崎地区でのワークショップ

前職時代の同業者の先輩にお声がけ頂き、
福岡県内の市町村の地方創生・総合戦略作成の
お仕事をさせていただくことになりました。

今日は初めて現場を訪れ、担当者の方とご挨拶。

福岡県内は九州内でも転入者が転出者を上回っていて、
人口は毎年増加傾向にあります。
対象の街も人口は増加傾向にあります。

この街が面白いなと思ったことは、生まれて死ぬまで一貫して
人づくりを重視した「生涯教育」に力を入れてきたことです。
この「教育」を軸に地方創生を考えて行きたいというのが、
まちの上層部や担当者の想いとしてあります。
とても明快なコンセプト。

一方で、地域のコミュニティの維持・活性化に向けた大きな課題もあります。
校区単位でしっかりと守ってきたコミュニティも、
時代の中で新住民の数が多くなってきていて、
既存のコミュニティの参加者が減り、持続化が将来的に困難になるということ。

まちを守り、育てて行くためには、その旧住民と新住民の接点をいかに
つくっていくかということが重要で、
まちの未来に向けて大切な一歩になるでしょう。

幸いにも、地域で新しいことにチャレンジしてきた方にも少し話を聞く
ことができました。地域を守って行くことも大切ですが、
これからの地域を、30年後という長い時間軸の中でどう
育んで行くかという視点がこの総合戦略の1丁目一番地になるのではと
個人的には感じています。

乗り越えるべき課題は大きいですが、とてもやりがいのあるお仕事です。
いますぐ結果として見えにくい成果に対して、いかに具体的な
イメージを持てる、持ってもらうかが、「よそ者」としての
私達の使命だと感じています。

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気がつけばもう7月下旬。

7月は公私ともに慌ただしく過ごしています。
上旬に待望の第2子が産まれ、週末には
鹿児島を往復する日々が続いていました。

そして、仕事では企画書・申請書ラッシュの日々。
この7月で8本書いています。
不思議と〆切時期って重なるもんで、先週は活字地獄に陥り、
そんな時に限って出張や打合せが隙間にどんどん入ってきて、
久しぶりに気持ちに余裕のない1週間を過ごしていました。

一人で生業を営んでいると、時間をどう配分するかがとっても
大切だと感じます。そこまで1つのことに悠長に時間をかけれない、
でもきちんと目的を理解して事業を進めて行かないといけません。

常に頭はぐるぐるといろんなことを考えています。
常に不安を感じているからかもしれません。
考えていることが好きなのでこの職業を選び、月に8本書類を
書こうが、なんとか乗り越えられるんだと思います。

その結果がどうなるのかはもちろん気になりますが、
地域やまちづくり団体、企業、店舗さんがやりたいと思うことを、
こういった機会に形にして行くことが私の仕事のスタート。
ご縁をいただき、その想いにいかに花を咲かせるかが
力量を問われるところであり、仕事の醍醐味でもあります。

道標ができたら後は実現に移すのみ。
手段はいくらだってあります。
ということで、今年はあれこれと忙しくなりそうです。

写真は、先日帰省した際に宿泊した、妙見石原荘。
設え、景観、食事、接客ともに素晴らしい旅館でした。

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今日は、前職時代から関わらせて頂いている
コンサルタント協会の会合へ。

かなり久しぶりに来たので少々気後れしていたけど、
その不安を吹き飛ばすほど充実した内容だった。

糸島で「農業から世界を変える」という夢を持つ
NPO法人QUILT代表理事の久冨さんがゲストに来て、
自分が糸島で展開しようとする夢を話してくれた。

その話を聞いてとても感銘した。
自分が暮らしたいと思う地域を突き詰めて行くと
地球規模で環境や食の循環を変えて行かないという課題に行き着き、
世界平和と安心安全な社会のためには農業が活性化しないといけないという夢の提案。

話を聞きながら、NYのHIGH LINEのことをまた思い出した。
たった2人の市民の夢から実現したプロジェクト。
アメリカには個人として共感することには支援する文化がある。
でも、様々な利権が取り巻く日本の社会の中では、
いかに自分の理想の社会を描き、実行に移して行くのか・・・

この発想こそが、イノベーションの原点。
マイノリティであっても、その輪が小さくても、
関わる人達の熱が大きければ不可能なことはない。
それは、NYのHIGH LINEをはじめ、世界中で実現していることだから。

コンサルタントの人達とも、その夢の実現策についてかなり議論が白熱した。
リアリティがないと実現しない。でも、夢がないと共感する人さえ生まれないし、
民間サイドの投資も生まれない。結局は、予定調和で終わることが多々ある。

「その夢をいかに実現するか」
地域の人達が感じている本質的な課題を、地域の資源を活用しながら
いかに付加価値を生み出して新たなステージに持って行くか。
それこそが地域づくりに関わる専門家の役割だと私は思います。

がんじがらめの規制から発想してもマイナスなことばっかりで、
新しい価値観やイノベーションなんて生まれるはずがない。
まずは思い描く地域の理想があって、それを実現するためのバリアがあるんだったら、
あらゆる智恵を絞って、仕組みを変えて行く、解釈を変えて行くことこそが
これからの地域活性化には必要なんだと常日頃から感じていることを
久冨さんの話を聞いて再確認できた。

どれだけネット社会が成熟しているからといって、
共感者を全国・世界に増やし、顔の見えない不特定多数から金銭的な支援を得ることは
そんな容易いことではない。地方に人を呼ぶことも同じことだ。

人の心を揺さぶるためには、明快な夢=ビジョンが必要だ。
視察をして成功した「結果」だけを見るのではなく、その背景にあったビジョンと
それを実現した仕組みに目を向けることが大切。
その土壌をいかに地域に根付かせて行けるかが、地域が良くなるかならないかの分かれ目。
あらゆる立場の人達が、その夢の実現に向けて頭をフル回転させて協力することが、
地域活性化の本質なんだと思います。

NYのHIGH LINE.たった2人の市民の夢から実現した軌道敷の公園。

NYのHIGH LINE.たった2人の市民の夢から実現した軌道敷の公園。

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