Roots

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ポートランドへ行く渡米前、
仕事でご迷惑をおかけする方々や知人・友人に旅の連絡する中で、
「なんでポートランドなの?」というお声をたくさんいただきました。

NY、ロス、サンフランシスコ、シカゴ、サンディエゴ、・・・
アメリカには特徴的な街がたくさんあるにもかかわらずに、
耳慣れない街の名前を聞いてそう思ったのでしょう。

私も1年前までは知りませんでした。
前回投稿したように1冊の本との出会いが始まりでした。
古い倉庫を再生し、若いクリエイターや起業家がそこを拠点に
居場所をつくっていく。その動きに感化されるように、
全米から多くの若者が移住してくる。大手の資本に頼らずに、
地元発のコーヒーショップ、本屋、アーティストと、
独自のクリエイティブを発信している。
いまや全米で、若者の力を活かした都市再生のモデルに
なっているのだという。

素直に行ってみたい、観てみたいと思ったのです。
行けるとしたら、盆前しかない。
育休中のかみさんに話をすると、「私も是非行きたい!」とのこと。
かみさんも広告屋の端くれだから、私の話を聞き本を読んで、
心がざわついたんでしょう。
だったら、預けるところもないし、
0歳の息子も連れて行って、世界に触れさせよう。
そんなこんなから急遽、家族3人でのポートランドツアーが決まりました。

豪勢な旅はできないけど、子供がいるので機内の快適性は必要だと
フライトを色々と調べ、初めてJAL国際線に乗ることに。
福岡→成田→サンフランシスコ→ポートランドと2回乗り継いで行きました。

サンフランシスコの空港で入国審査をする際、
目的地をポートランドと伝えると、
「なんでポートランドなんだ?」とあれこれ質問攻めにあって大変でした。
審査官は「君の求めているものは全てサンフランシスコにあるじゃないか」と
自分の住む町を素通りする日本人のことが理解できなかったのでしょう。

確かに。私達もサンフランシスコに立ち寄るかどうかをかなり悩みました。
これまでの旅は、綿密に計画を立てて、行きたいまち・観たいところを精力的に
回ることが多かったのですが、今回は0歳の息子がいる旅なので、
いつもの半分くらいのペースでゆっくり見て回る計画づくりを考え、
ポートランド1都市に絞ることにしたのです。

サンフランシスコは、坂の街、みなとまち、美食の街として有名ですよね。
次回の渡米では必ず行ってみたいまちです。
トランジットで見えた束の間の風景は奇麗でした。
(結果的に子供は泣くこともほとんどなく、予想以上にスムーズに回ること
 ができ、サンフランシスコも行けたんではと少々後悔の念もありますが・・・)

サンフランシスコ国際空港からの景色

サンフランシスコ国際空港からの景色

サンフランシスコから2時間ほどでポートランドへ到着です。
この時期は昼の時間がとても長く、フライトの20時30分でも上の写真の明るさです。

ポートランド国際空港、通称PDXに到着したのが22時30分前。
滞在期間中の前半戦に宿泊するまちなかエリア(パールディストリクト)のACE HOTELを
目指します。空港からまちなかへはMAX LIGHTTRAILという路面電車が走っていて、
ストリートカー(路面電車)、バスにも使える1週間PASSを購入して乗車。
このPASSが本当に大活躍でした!行かれた際には必ず購入されることをオススメします。

空港と市街地を繋ぐポートランド版路面電車、MAX LIGHTTRAIL

空港と市街地を繋ぐポートランド版路面電車、MAX LIGHTTRAIL

路面電車に揺られること40分、最寄りの駅に到着。
そこから歩いて10分のところに、「ACE HOTEL」はあるのです。
このホテルに泊まることも、旅の大きな目的の1つでした。
インテリアや家具のデザインにこだわり、地元アーティストが手がける
部屋は1部屋ずつ違うというこだわりよう。
ポートランド発祥でいまや全米に展開し始める人気のブティックホテル。

ホテルのロビーの風景はあまりにも有名で、
MACを広げたり、STAMPTOWN COFFEEのコーヒーを飲んだり、会話したりと、
世界中の旅行者のたまり場・交流空間になっているのです。
その両端には、地元で大人気のレストラン「CLYDE COMMON」と
コーヒーショップ「STAMPTOWN COFFEE」が入っていて、
地元・観光客が分け隔てなくわいわいと楽しんでいます。
このACE HOTELの1階全体がまちのリビング、そんな印象です。

チェックインしたのが、夜の23時30分。
CLYDE COMMONにラストオーダーぎりぎりに滑り込んで
地元のクラフトビールで旅の疲れを癒し、
念願のACE HOTELの空間に思う存分に身を委ね、
2日目からの旅に思いを馳せながら就寝しました。
(子供の時差ぼけでほとんど寝れませんでしたが・・・)

いよいよ本格的な旅が始まります。

ACE HOTELの内観。壁面は地元のアーティストが手がけた。

ACE HOTELの内観。壁面は地元のアーティストが手がけた。

ACE HOTELの内観。1部屋ずつデザインが違うのも、人気な理由の1つだ。

ACE HOTELの内観。1部屋ずつデザインが違うのも、人気な理由の1つだ。

ACE HOTELのロビー。

ACE HOTELのロビー。

ACE HOTEL外観。1FにはCLYDE COMMONやSTAMPTOWN COFFEEなどの人気店が入居。

ACE HOTEL外観。1FにはCLYDE COMMONやSTAMPTOWN COFFEEなどの人気店が入居。

ACE HOTELの看板。

ACE HOTELの看板。

portland

1年ほど前、D&Department FUKUOKAで何気なく購入した
書籍「Green Neighborhood」を読んでから、
ずっとずっと気になっている街がある。
アメリカ西海岸に位置するPortland。

全米で若者が住みたい街No.1、美食の街、環境や人に優しい街・・・
若者クリエイターの移住・起業が進み、魅力的な飲食店やアトリエ、
水辺、公園がつくられ、まちなかではファーマーズマーケットや
ファーストサーズディー(アートイベント)などのイベントが定期的に開催され、
暮らしている若者がいきいきしているという。

私がお手伝いする街や日本全国の地方都市では、
まちの魅力をつくる担い手である若者の確保に頭を悩ましている。
その日本の大きな課題を克服し活気を呼び戻したPortlandとは
一体どんな街なんだろう。

日に日に気になってくる。「TRUE PORTLAND」という書籍を買ってみたら、
ますます興味が湧いてくる。ポートランドのことをいろんな人に話してみたら、
「自分も気になって行きたいと思っている」とか「とても素敵な街だよ」とか、
さらに好奇心に追い打ちをかけてくる。

もうこの際、行ってこい!!!
ということで、現在進行中の仕事の予定をあれこれと調整し、
7月中旬に1週間Portlandへ。

「この街移住進んでますよ」「若者増えてますよ」って、
書籍で書いていることをいくら伝えても説得力は生まれない。
自分で自腹切って現地に行き、まちの空気を感じ、消費し、暮らす人との
会話を重ねることで、自分の体験としてその街のことを記憶したい。

私の仕事は「百聞は一見に如かず」の世界。
たくさんの知識より、その土地に出向き、会話を交わし、
空気を感じ取ることが何より大切だ。

現地で案内してくれる人も見つかりそうだし、
いまから視察準備でわくわくしている。

仕事関係の皆様には本当にご迷惑おかけします。
現地での体験をしっかりと目に心に刻み、
今後お手伝いする地域づくりのヒントを掴んできます。

独立するとなかなか休む時間もつくれない。
下手すると、一年中放電しっぱなしになってしまう。
だからこそ、こうして“意識的に”時間をつくり、
海外の街を訪れ、視野を広げ、感性を開放し、
いろんなまちの肌感覚を“充電”しておきたい。

zuroku

土木学会創立100周年を記念し、プロジェクトメンバーが想いをかけた
「土木コレクションHANDS+EYES」の特製図録がいよいよ販売開始です。

私も土木学会出身で、大学の恩師からお声をかけていただき、
このプロジェクトに参加させてもらっています。
この図録はプロジェクトの集大成でもあり、
デザイン制作・編集全般をお手伝いさせていただきました。

HANDS89事例、EYES12事例を掲載した全156ページ。
土木の魅力、味わい深い質感を感じてもらうために、
全ページ上質紙・フルカラーでお届けいたします。

通常販売価格は650円(税抜)、全国巡回展にご来場いただいた方々には、
なんとなんと「500円(税込)」で特別にご提供いたします。

失敗が許されない中で、1枚1枚を手書きで描いていた美しい図面を見ると、
土木エンジニア達の構想力、想像力が伝わってきます。
やっぱり先人の情熱や技はすごい。

1人でも多くの方々に、土木の魅力を知っていただき、
土木のこれからを考えていける機会になれば良いなぁ。

最近、「ホームページを拝見しました」ということで、
お問い合わせをいただくことが増えている。

FACEBOOKとも連動していないし、基本は名刺交換させていただいた
方にしかWEBのアドレスは伝えていないはずなのに、
わざわざ探してくれて連絡していただけるのは本当に嬉しい。
気軽なSNSとは違って、わざわざ探して連絡してくれるのだから
その分想いも伝わるし、どのお問合せメールにもしっかりと
想いが込められている。

しかも、「想いに共感しました」との連絡は涙が出るほどに嬉しい。
まちづくりや観光の仕事をしていると、常に「誰のために」「なんのために」
究極は「自分は一体、地域社会にとって何か価値あることをしているのか」と
不安にかられることも少なくない。

最近は、自分のしていることを説明する機会が増えていて、
「わかりやすく」伝えることが求められる。
民間の仕事をしている人にとっては、公共の仕事というものは結果が
見えにくくて非常にわかりにくい側面があるのだろう。
なかなか理解を得られないことも多い。

そんなときについつい「ホームページを見てください」なんて
言いたくなる時があるが、全く門外漢の人に対して直接言葉で理解を
してもらうことも今後重要になってくるんだろう。

私なりに考えるまちづくり。
それは、「一人でも多く、町のことを好きになり、住む人を増やす」
ことなのだ。以前唐津のフリーペーパーRoastを作るときにも考えたように、
10000人ではない100人の琴線に触れ、まちのことが大好きになり、
自発的に、主体的にまちに関わって行く人たちを増やしていくこと。

そのためには、あらゆる手段の中からその土地に合ったアプローチを選択
しなければならない。その実現に向けて重要なのが、地元に住んでいる方々。
私は言って見ればよそ者である。その町をずっと育てていくのは、
そこに住んでいる方々なのだから。
住んでいる人たちが気づかないことは、よそ者の私達が少しきっかけをつくり、
アイデアを提供して行く。当然先行して動かして行くことも必要になる。
でも最終的には、その土地の中で、私がいなくなっても想いを持ってまちを
育んで行く人たちが根付くことが結局はゴールなんだろうなと最近思う。
その人たちがいることが、結局はまちの価値をあげていくことなんだから。

そのためには当然ながらにアウトプットもこだわっていかなくてはならない。
デザイナー、建築家、ミュージシャン、不動産屋、商業者・・・
様々な専門家を多様に巻き込んでいくことで、話題も自然と広がって行く。
想いを共感し、協力してくれるブレインの方々がいてこそ、
ルーツの想いも達成する。

ホームページでお問い合わせいただいた方々と最近やりとりし、
お会いした方もいる。長い時間をかけてパートナーになって行ければ
嬉しいです。

1年前、ルーツを開業したときにお祝いをしてくれた、
今でも大切なパートナーのことを思い出しながら、
ふとそんなことを考えた。

roots

先日、高校時代の友人を訪ねて上海に行った。
これまでどうしても足が向かなかった中国だが、
自ら行かずして中国のことを語ることはできない。
良い機会だと思って。

上海の人口は約2,400万人。東京の1.8倍ほどの人口だ。
さぞや人で溢れかえっているのだろうと、少々憂鬱な気持ちを
抱えて降り立った。

期間中に滞在させてもらった高校時代の友人の自宅は、
閑静な高級住宅街であり、景観もサービスも行き届いている。
私のイメージする中国のイメージではないとてもクリーンな印象だ。

一日目の夜は「新天地」という若者・観光客が集まるエリアで
中華を食べて休息。
旅をするときは、あれやこれやと調べては毎日みっちりとプランをつくる
方だが、今回の旅は全て上海在住の友人にお任せ。
気分的にはらくだし、全くの予備知識がない分、どんな場所に連れてって
くれるのかワクワクしていた。

2日目。建築やデザイン、アートが見たいとだけ伝えていたので、
まず連れて行ってくれたのは中心地より少し離れた場所にある「半島1919」。
工場をリノベーションして、アトリエやデザインオフィス、デザインセンターが
集積するエリアだ。基本そのままの外観を活かしているところが良かった。

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半島1919

中国語がぺらぺらな友人にお願いして、アトリエにいた若い陶芸家に話しかけ、
どんな作風なのか、この場所の特徴、彼の想い、いろいろと語ってくれた。
とても真面目な感じの作家さんだった。辺りをぐるっと回っていると面白い建物が。
このエリア一帯の拠点となっている芸術設計センターだ。

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半島1919 センター

次に訪ねたのは、同じく工場を再生したアートスポット「M50ギャラリー街」。
ここは半島1919よりも凝縮していて、建物の各部屋には陶芸、絵画、現代アート等の
アーティストが制作活動をしていて見れるのが面白い。
英語が通じないので、交流ができないのが少々残念であった。

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M50ギャラリー街

次なる目的地へぶらぶらと歩いていると、よく目にしたのがアパートの外に
棒を延ばして洗濯物を干す風景。日本では当たり前だが、上海にはベランダというものが
ほとんどない。となると、こうやって干すしかないんだろう。
ヨーロッパのした街でもよく目にした風景だが、上海ではより生活感がにじみ出ている。

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上海の日常の暮らし(その1)

中心部へと戻って訪れたのが「田子坊」。
古い建物が残っている狭い路地空間一帯がちょっとした観光地になっているスポット。
狭い路地の両側には、お土産屋さんや飲食店がずらっと並び、
アジア・欧米の観光客でごった返している。

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田子坊の風景

私はどちらかというと「つくられた」観光スポットにはあまり興味が
惹かれない方で、生活臭漂う場所を好んで訪れる。
旅先で必ずと言っていいほど足を運ぶのが市場だ。
田子坊にも市場があった。
野菜や海産物が並べられ、買い物客もほとんどが地元の人だ。
上海の暮らしを垣間みれる。

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田子坊の市場

あとは、田子坊の路地の中で広場になっているところで、
昼間からビールやワインを飲んで友人と話し込んでいた。
夕方からはもう一人友人が合流して上海料理を満喫。
とても充実した1日であった。

翌日は少々二日酔いの残しながら、中心地から1時間ほどのところにあるスポットへ。
任せすぎたせいか、駅名やスポット名をあまり覚えていない・・・
最初に訪れたのは、書家や画家、詩人として活躍した地元のクリエイター李さんの
庭園へ。

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書家・画家李さんの庭園

中国の庭園は、日本の庭園よりも垂直性が強い気がした。
描いているのは、李さんの絵にもあった山の風景だろうか。

ここには、田子坊と同じような、よりローカル色の強い買い物ロードがあった。
決して衛生上奇麗とは言えないが、地元観光客がほとんどで、
等身大の上海を象徴する場所である。

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上海ローカルの観光地

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道ばたで売られていたキムチ

その後、辺りのお寺・庭園を鑑賞し、次なる目的地「19参Ⅲ」へ。
ここはもともと食肉工場だったところを商業文化複合施設として再生。

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19参Ⅲ(1933)老場坊 外観

建物は当時のまま活かしていて、牛舎や牛の道がそのまま残っている。
建物だけでも十分見応えのあるところ。
強いて言えば、当時どういった使われ方がしていたのかを写真で展示していると
もっと面白いなーと友人と話していた。

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19参Ⅲ(1933)老場坊 内観

屋上からは上海の風景が一望できる。
遠くには、上海の経済成長を象徴する高層マンションが建ち並んでいるが、
足下には古びた建物の等身大の暮らしが根付いている。

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19参Ⅲ(1933)老場坊 屋上からの眺め

足下の暮らしの風景をなぞってみる。
いかにも壊れそうなバイクを駆使し、家の前の路上では洗濯や食事、
昼寝、会話、子供達の遊び。みちが暮らしの交流空間なのだ。
かつて日本にもあった、じゃりんこちえの下町の世界。
いつかは高層マンションに暮らしたい、下町に暮らす人はそう夢を
描いているのだろうか。

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上海の日常の暮らし(その2)

旅のクライマックスは、上海観光のド定番の川沿いの夜景スポット。
どこにいたのだと言わんばかりの観光客の数。。。
到着すると同時に対岸の建物がライトアップ。
クラシックな建物も並んでいて、中国とは思えない。

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ド定番の夜景

最後は、この夜景が見渡せる絶景のBARでしっぽり飲んで上海旅は終了した。
料理が美味しかったことはもちろんのこと、リノベーション事例をたくさん
見れたのは収穫だった。そして何よりも、華やかな上海の一面だけでなく、
贅沢ではない等身大の暮らしを覗き、光と陰ではないが
その対比を目の当たりにしたことが一番印象に残っている。

一部の人たちの上海ではない、みんなの上海だ。

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