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Roots

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人新世の「資本論」読了。

コロナ禍になって、暴走する資本主義のあり方に
疑問を持ち始め、マルクス主義が注目されているようだ。

そのマルクス研究者の中で注目を集めている1人が、
著者の斎藤幸平さん。

地球規模で気候変動が待ったなしの状況の中で、
SDGsやエコ、サステナブルといった耳障りの良い
キーワードが出ているが、結局その裏側には新たな
ビジネスを作り、消費させるための資本主義が蔓延
していて、先進国の消費のために途上国の自然や環境が
食い物にされている現実(グローバルサウス)。

斎藤さんは、気候変動を食い止めるためには、
小手先だけの、一部の富裕層だけが得をする
資本主義をやめない限り未来はないと警鐘を鳴らす。

その中で、晩年のマルクスの思想に着目し、
資本主義から脱成長コミュニズムへ転換を図るべき
というストーリーを描く。

現状認識と着眼点は大いに賛成するし、
鋭い分析だなぁと感心する。

一方で、「資本主義」を真っ向から否定して、
脱成長コミュニズムを推奨する考え方は
納得する部分とそうでない部分があるなぁと。

脱成長コミュニズムの考え方は、簡単にいうと、
地域や社会の財産を一部の企業や富裕層が独占するのではなく、
協同組合やその地域に住むコミュニティで管理することで
人間本来の豊かな暮らしが実現できるのではという提案。

その考え方は、私達が常に関わっている地域のまちづくりに
とてもよく似ているなと思う一方で、横並びのコミュニティの
あり方はとても複雑で難しく、どのように実現していくのだろうか
という具体的な提案まではなされていなかった。

あと、海外の資本主義や気候変動、マルクス主義の研究者や考え方を
かなり広い範囲で研究している一方で、
「じゃあ日本ではどうすれば良いのか」という日本独自のあり方に
ついての研究や分析がまだ不足しているのではと。

日本にはもともと地域の中で経済を回していくコミュニティが存在したし、
日本が世界に誇れる風土や文化もあったはずなのに、
いつの間にか便利さや目新しいものを追い続けて西洋化し、
どこの街を切り取っても画一的な街が広がり、日本の食料自給率は下がり続け、
日本の誇りやアイデンティティはどんどんなくなっていく。

日本独自の美徳や文化、災害時に世界から賞賛された美しきコミュニティを
生かすことができればきっと、斎藤さんが描く未来が拓くのではと
私なりの考え方を重ねてみた。

面白い本でした。

(佐藤 直之)

緊急事態宣言になって、どこにも行けない日々。
地方の出張もことごとくストップがかかって、
1年前の緊急事態宣言と同じ引きこもりの生活が
続いています。

こんな時だからこそ、これまでずっと貯めておいた
「観たい映画リスト」を引っ張り出してきて、
ネットフリックスやアマゾンで見れない昔の映画や
名作のDVDを借りてきて毎日のように観ています。

まちづくりの仕事をしていると、関連する書籍や雑誌を
読むことが多いですが、全然畑違いの映画や本に触れて、
新たな感性や教養を養うこともとても大事で、
意識的にそういう時間を取るようにしています。

映画とまちづくり、一見すると全然関係ないように思えますが、
地域や人々の生活、文化、生き方を学ぶ上ではたくさんのヒントで
溢れています。

思い出すのは、学生時代に挑んだ建築コンペ。
大阪駅の北ヤードの国際コンペに、九州芸工大学の建築学科と
共同でトライしたのですが、私の大学の師匠と建築学科の先生の中で
「ブレードランナーの映画のあの光景を表現できないか」と
アイデアフラッシュが出たことがありました。
(当時はその映画を見ておらず、全然ピンときませんでしたが・・・)

そういう街の空間をイメージする上で、映画は過去から未来まで、
いくつもの時代設定があって、テーマに合わせた世界観が表現されている。
どういう街を、どういう空間を創造するか、という問いに対して、
映画で見た景色というのも1つのヒントになるのです。

地域や外国の歴史や文化についても映画から学ぶことは多い。
日本映画でいえば、小津安二郎の映画は名作です。
家の中から見える景色や日常の風景、東京との対比、
尾道という地域の日常がそこには浮かび上がってきます。
外国の映画を見ると、一神教や貴族社会、差別と、
宗教観や文化の違いが日本とは大きく異なり、
描き方1つでもその国のバックボーンがよくわかります。

最近意識的に選ぶ映画としては、家族にまつわるものが多いです。
強烈な家族観として影響を与えた映画は、なんと言ってもゴッドファーザー。
血の繋がった家族はもちろんのこと、コミュニティというか、契りを交わした
「ファミリー」の絆はとても強く、裏切りがあった場合には家族だろうが
容赦ない。外国のギャング映画はこの傾向が強いですが、中でもゴッド
ファーザーは私の中では印象に残る映画です。

最近家族映画の対比として面白かったのが、日本でも話題になった
「万引き家族」「そして父になる」の是枝監督の映画と、
アカデミー賞をとった韓国映画の「パラサイト」、
そして「わたしはダニエルグレイグ」「家族を想うとき」を
作ったイギリス人ケンローチ監督の映画。

どの映画も貧困な家族に光を当てた映画ですが、
描き方がそれぞれ異なるし、その国の家族観や生き方が色濃く
反映されている点で、学ぶこと、気づかされることがありました。

日本の1地域のまちづくりに取り組む中で、その地域の歴史や文化
だけでなく、日本という国の風土や風習、外国との対比、
人間としての生き方と、自らのルーツを知り、他地域との対比の中で
地域を深掘りする視点がますます必要になってくるのではと思います。

取り留めもない話になりましたが、これからもたくさんの映画を
観て大きな世界を知り、自らの教養と視野を広げていきます。

(佐藤 直之)

最近めっきりキャンプの虜になってます。

きっかけは、宮崎県高原町の御池キャンプ場を
核とした観光振興のお手伝いをした数年前から。

コロナになって、密を避けられる場所・楽しみ方として、
キャンプが最近人気を集めています。

キャンプの魅力といえば、なんといってもその土地の
自然や景観と一体になれることです。

里山のそよめきや鳥のさえずり、川のせせらぎ・・・
日頃の電子音からは距離を置いて自然の恵を体いっぱいに
感じることができる。

山の中、川のそば、海の近くと、その土地ならではの
自然を感じ、その土地ならではの楽しみ方ができる。

2地域居住がしたいという思いは数年前から。
現在居住している福岡からの距離感や自然環境、景観、
そして住まうための建物、実現するためのコスト、
生活を楽しむための地域コミュニティ・・・

考えれば考えるほどにこれ!と言える
贅沢な条件というものはないもので、
何よりもネックになっていたのが理想なライフスタイルを
手に入れるための建物をどうやって見つけるか、手を加えるか。

自分たちが理想とするデザインや景観の建物があるのか。
築年数の経過した建物だとリノベーションに費用がかかるし、
新築建てても同じ話。自分達が年を重ねていったときに、
今と同等の居住エリアが必要なのか・・・
といった建物の問題が常に付き纏って来るなぁと悩んでいました。

でも、キャンプはどうだろう。
仮設の住処だし、それなりのテントを買ってもコストはかからない。
テントを畳んでしまえば、元の自然の状態に戻ってくれる。

そう考えると、眺めの良い景観を楽しめる土地さえあれば、
好きな時にテントを持って楽しめることができる。
私たちが理想とする2地域居住が手に入るのではないか。

近くに温泉と美味しい地元食材が手に入る産直施設があれば、
もう言うことなし。水とお手洗い機能さえ整えることができれば、
あとはなんとかなる。

もし地域の人達が管理が行き届かない耕作放棄地や
空き地があれば、地域の課題解決にもつながる。

もしずっとテント泊だと疲れるなーと思ったら、
少しずつお金を貯めてそんなにコストをかけずとも
ウッドデッキと最低限の機能を満たす小さな小屋を作れば、
快適な2地域居住が実現できるし、
増築・減築することで時代にあった暮らし方ができる。

これまでに行ったことのあるキャンプ場の写真を改めて
見てみると、それぞれの地域で素敵な景観や自然環境、
特徴があります。

こないだ行った高知県のキャンプフィールドは、
川のポテンシャルという意味では個人的にはナンバーワン。
景観で言えば、御池のキャンプ場や唐津の友人陶芸家の工房は
良かったし、すぐ近くで泳いだり遊べたりする自然環境で言うと
白浜キャンプ場やおち仁淀川は良かったなぁ。
アクセスで言えば五ケ山、池の山キャンプ場、
食材や温泉を含めた周辺環境でいうと中瀬草原、御池キャンプ場、
唐津のキャンプ場は良いですね。

キャンプ場に生活するわけではないけど、いろんなキャンプ場で
実際に利用体験することで、どういう環境や景観が望ましいか、
どういう設備や体験があったらより快適か、という視点で
まちづくり的な学び、自らの2地域居住先に求める条件のヒントになる。

九州各地にはその土地にしかない景観や自然環境、食、文化がまだまだ
残っている。その固有の価値を、こうしたキャンプや滞在によるリアルな
体験を通して発信する、磨いていく、守っていくことができて、
なおかつ自らの2地域居住の実現にも繋げて行きたいと強く願っています。

どなたか良い地域・土地がありましたら情報ください!

(佐藤 直之)

白浜キャンプ場(長崎県佐世保市)photo:Koichiro Fujimoto

中瀬草原キャンプ場(長崎県平戸市)

いろは島キャンプ場(佐賀県唐津市)

友人陶芸家の工房(佐賀県唐津市)

モンベル五ケ山ベースキャンプ(福岡県那珂川市)

池の山キャンプ場(福岡県八女市)

御池キャンプ場(宮崎県高原町)

スノーピークおち仁淀川キャンプフィールド(高知県越智町)

スノーピーク土佐清水キャンプフィールド(高知県土佐清水市)

ペシャワール会の中村哲さんの名著を読了。

凄い人だった。
医師としてアフガンに赴任し、旱魃で栄養と水不足に
陥る市民の健康を回復し、農業国家であった産業を
再生させるためには、河川や水路が必要だと
ひたすらに土木事業を邁進してきた。

写真で見ると、その変化は一目瞭然。
お仕事でご一緒した元ゼネコンの方が、
「いつか砂漠を緑化しに行く」と言ってたけど
まさにそれを実現した人である。

治安が悪化する中でも加熱する誤報に惑わされず、
裏切りや暗殺に遭遇しても絶対に復讐をせずに、
ただただアフガンの再生のために全身全霊で
挑んできたことがよくわかります。

日本ではあたりまえの環境が、備わっていない国もある。
綺麗な水や洪水を防ぐ堤防、目的地に辿り着く道路など、
生活インフラを支える土木事業って、国の豊かさの根底にある。
土木があるから、健康が保たれ、仕事ができ、治安が安定する。
この本を読んで、その価値を再認識しました。

お亡くなりになってから初めて本を読んだけど、
もっと早く読んで生前にお話を聞きたかったなと強く反省。

最終章の「日本の人々へ」はしびれました。
マスコミの誤報に惑わされずに真実を自分の手で勝ち取ること、
経済成長だけではない真の豊かさの追求、
人間は自然の一部であり技術過多になってはいけない・・・、

不易流行。
この時代だからこそ「変わらない本質」を大切にしていきたい。

(佐藤 直之)

2021.03.20 / thinking

春が来た!

桜もあちこちで花が咲き始め、
心身ともに閉鎖的だった冬から、
期待が膨らむ「はじまりの春」へ。

それでもまだ落ち着く気配のないコロナ騒動、
コロナによって変革を求められるこれからの社会。

地方のまちづくりやブランディングに携わる
ルーツとして、これからどんな未来・地域社会
をデザインして行ったら良いのか?
そして、それをどんな立場で、どんな価値を
提供していける会社になるのか?
そんなことをここ1年近くずっと考えています。

ルーツ10周年まであと1年。
そろそろ考えて行動していく「はじまりの春」に。

(佐藤 直之)

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